ハーメルン
戦姫絶唱シンフォギア 三本角の英雄
04

 風鳴翼は目の前で起きた予想を超えた出来事に驚愕した。

 ライダーが空間から現れた機械的な見た目の剣を握ったかと思うと、銀色の光が剣の峰部分へ装着される。

 それは突然だった。
 剣を起点に全身を無数の小さな六角形が包み込む。
 閃光を放ち、シルエットが少しずつ変化したかと思うと次の瞬間には光を引き裂き姿が一変した戦士がそこにはいた。

 黄金から銀へ、拳から剣へ。
 拳士から剣士となった戦士は自身の状態を確かめるかのごとく、剣を振るう。

「ッ!!」

 たったそれだけだと言うのに、剣士として翼の本能が警鐘を鳴らす。

 ──アレは野放しにしてはまずい、と

 先に動いたの翼の方だった。
 再び一瞬の構えから距離を零にし、不意打ちのように必殺の居合を放つ。


【無月】


 その流れるような美しき一閃は確かに仮面ライダーを捉え、傷をおわせ切断しかねない一撃であった。

 誰もがそうおもえるほどの一瞬の攻撃。

 だが、当人を除いてだが。


「なっ…… に……?」


【Rider Slash】


 予想に反して手傷を負ったのは翼の方だった。
 切りかかる、神速の抜刀術を放ったのはいい。だが、それよりも速く、正確な攻撃を放ったのだ。

 翼が切りかかるやいなや、やつは剣の峰にセットされていたヘラクレスオオカブトのようなものが180度回転させ振り抜き一閃。

 己の動体視力を超える雷を纏わせた刃の一撃に翼は数十メートルも吹き飛ばれる。
 だが、体勢を崩さずすぐにも持ち直したのは風鳴としての意地かそれとも彼女の技量か。

 ピシリ、小さな音だがたしかにそんな音が自身が握るアームドギアの刀身から響いた。

「剣の心得すら…… 持っているのか……!」

 半ばから折れた刀身を見つめ、翼は気圧されたように叫ぶ。
 深夜の時間、極寒とまでは行かないはずだが冷える時間だと言うのに翼の背中に汗が伝う。

 ただ無言で剣を構え、姿の変わった仮面ライダー。
 気圧された翼だが、怖気付いた訳では無い。
 寧ろ同じ土俵に立たれたことで余計に負ける訳にはいかない理由ができてしまった。

「風鳴翼、推して参るッ!!」



 ──おい総司、お前手加減しただろ? 

 当たり前だ馬鹿野郎。 今までだって殺さないよう手加減していたのをお前は…… 勝手にライダースラッシュッを発動させやがって彼女を殺す気か? 

 ──こういうのは最初が大事だろ? それにこれでやられればその程度の相手だったというだけだ

 お前なぁ……! 


 好戦的な性格のヘラクスゼクターに頭を抱えたくなる。

 だが双剣を操り、お姫様の激しくなった攻撃を最小限の動きで捌くのに意識を割いているためそれ以上の返答ができない。

 ──クックックッ、これだけの相手と立ち合える。心が踊るではないか!! 

 こ、の戦闘狂(バトルジャンキー)がッ! 

 ──フハハハハ! 強者と命をかけた戦いこそが俺の生きがいである!! 

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