04
ええい!!
つばぜり合いに持ち込み、刃がふれあい火花が暗闇を照らす。
こちらを見下ろす形で剣を押し込む仮面ライダーを睨み付ける。
「お前はなぜ戦うんだ!」
「…………」
「それだけの力がありながら!」
「ノイズを壊すだけなら器用な技など必要のないはずだろう!?」
切り払い、後ろへ逃げようとしたライダーに肉薄する。
「ッ!!」
「ハァァァアッ!!」
【蒼ノ一閃】
【1】
【2】
【3】
ヘラクスゼクター内部で生成、貯蓄されたタキオン粒子が刀身へ供給。
タキオン粒子がプラズマとなり巨大なエネルギーブレードを形成する。
【Rider Strash!】
エネルギーの奔流が互いを喰らい合い、波動となって周囲をつつみ爆発する。
そして、青い影が落下し地面へと墜落する。
それとは対照的にゆっくりと地面へ着地するのは銀の光。
──届かなかった……
全身の装甲がヒビ割れ、ダメージに呻きながら翼はこちらを見下ろすヘラクスを見て悔しげに歯を食いしばる。
悔しい、これだけ自分が全力を出しても奴はそれ以上の力を持って叩き潰す。
底の見えない強さに翼の心に暗雲が立ち込める。
「お前の…… お前の目的はなんなんだ…… 仮面ライダー!」
何もせず見つめる赤い複眼は答えず、こちらへ背を向ける。
「敗者には…… かける言葉すら無いというのか……!」
「翼ァ────ッ!!!」
暗闇を引き裂き、天から無数の光が降り注ぐ。
声は工場の外、はるか上空から聞こえた。
槍の雨と言えるそれは等しく破壊をもたらし、翼の心に生まれた闇をヘラクス諸共飲み込んでいく。
【STARDUST∞FOTON】
瞬く間に無数の槍で作られた山と砂塵に消えたヘラクス。
呆然とした様子の翼にひとりと歌姫が側へ降り立つ。
「奏、どうして!?」
「ちょろっと嫌な予感がしてな。 急いでノイズども蹴散らしてきたんだよ。 んで案の定だ…… こっぴどくやられたな翼」
「ッ、ごめんなさい…… 送り出してくれたのに私は」
「そう自分を責めるなよ。 それなら行かせた私も同罪だっと…… オイ、聞こえてるんだろ仮面ライダー! あとはアンタだけだ!!」
答えるように山の一角が爆ぜ、砂塵を引き裂き銀の戦士が現れる。
「ハハハ、わりと全力でぶっぱなしたのにああも無傷だと自信なくすわな。オイ」
威風堂々と現れたヘラクスに奏は静かに舌打ちする。
ノイズなら簡単に破壊できる最大の一撃を受けてなお、確実に地を踏み、その鎧に傷一つ付けられないことに変な笑いが込み上げてくる。
「オイオイ、まさかアレ全部切り払ったのかアンタ?」
奏の問に返答とばかりにヘラクスはその手に握られた光の槍を握り潰す。
ゆっくりと剣を構え、ヘラクスは確実に2人の距離を縮めていく。
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