07
とある山の中、地面を埋め尽くすほどの数のノイズがそこにはいた。
あちこちには爆炎が上がり、何かが砕ける音が響く。
【1】
【2】
【3】
「ライダー…… アヴァランチ」
【Rider Avalanche!】
突如巨大な青白いプラズマ状のエネルギーが半円状に発生し、群がっていたノイズ共を飲み込み炭素へと変化していく。
そして、ひときわ多く膨張すると一気に収縮し爆ぜ割れ、周囲一帯へ衝撃波をばら撒き生き残っていたノイズ全てを殲滅する。
「ハア…… ハア……」
何もいなくなった空間の中心で仮面ライダーコーカサスは荒くマスクの下で二酸化炭素の塊を吐き出し、手に持つヘラクスブレードを杖にして地面へと膝をつく。
──総司、まだへばるのは早いぞ。 南西に10キロ、敵の援軍だ。 でかいぞ
「……わかった」
コーカサスゼクターの声に答え、総司は言われた場所へと走り出す。
そして、リモート機能によりどこからともなくコーカサステンダーが現れ、走る彼と共に山肌を並走する。
総司はバイクに飛び乗ると一気にアクセルをフルスロットルにし、地面をギャリギャリと削りながら加速する。
──かれこれ数時間も連戦か…… 疲労も溜まっているのではないか?
問題は無い。 いざとなればあの姿がある。
──それもそうだが、あまり無理はするなよ?
お前が俺を心配か? 珍しいこともあるものだな
──孤独なヒーローにも少しくらい労うものがおってもバチは当たるものかよ
「フッ、そうか」
小さく笑い、呟く。
うだるような熱気に晒される中、ただ1人で金の戦士は戦い続ける。
誰の助けも借りぬまま、ただ独りで……
〇
「また出遅れた ……か」
目につくのはいくつも陥没し、えぐれた地面。
なぎ倒され、空へと黒煙を上げる木々。
そしてノイズがそこにいたということを理解させる炭素の塊。
戦闘の痕跡が至る所に散らばり、真新しさの残る戦場特有の独特の臭いに奏は顔を顰めつぶやく。
「仮面ライダー……!」
その隣ではこの前のことを思い出してか、女の子がしてはいけないような顔をして憎々しげに呟く翼がいた。
あと日、自分の力全てを否定され自分は無力だと捨てられたかのような屈辱に拳を握りしめ震わせる。
それを見て奏は小さくため息を吐き、その後頭部にチョップを放つ。
「てい」
「いたっ!?」
「まったく、翼! そうやって追い詰めるのは悪い癖だぞ〜 そんなんじゃいつかポッキリ折れちまうゾ」
「や、やめてってば奏!」
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