ハーメルン
ヴァルキリーロンド
第3話『人を殺す覚悟』

―side:Vernyi―


ハイリヒ王国の王宮での晩餐会の翌日から訓練と座学が始まった。
講師は騎士団長のメルド・ロギンスで、私達に12センチ×7センチ位の銀色のプレートを配り、説明する。
「よし、全員に配り終わったな?このプレートはステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるもので、最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?
プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 "ステータスオープン"と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。
原理とか聞くなよ?そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
「アーティファクト?」
アーティファクトという聞き慣れない単語に天之河が質問をする。
「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」
メルド団長の説明の後、各々が用意された針を指に刺し、血を1滴ステータスプレートに落とす。
私は他の人よりも深めに針を刺す。
アデプトテレイターの肌は人間の様に柔軟だが、その強度や自己修復能力は人間より遥かに上であり、銃弾を喰らってもちょっとめり込んだ後に跳ね返してしまうし、刃物は鋭い分銃弾よりもちょっと痛い程度だがその傷は直ぐに回復する。
話を戻すが、私も血を1滴ステータスプレートに落とした。

『風見ヴェールヌイ 116歳 女 レベル:???
天職:鋼鉄の戦女神
筋力:12000+α(?????)
体力:12000+α(?????)
耐性:12000+α(?????)
敏捷:12000+α(?????)
魔力:12000+α(?????)
魔耐:12000+α(?????)
技能:金属細胞適合型不老生命体・可変外装・武装改造・歩く武器庫・毒無効・全属性耐性・物理耐性・戦女神の威圧・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・言語理解』

「全員見れたか?説明するぞ?まず、最初に"レベル"があるだろう?それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」
レベルが表記されないのは…私が人間じゃないからかそれともレベル表記も仕事するのを辞めたのか…
「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。
詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。
それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大解放だぞ!」

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