第13話『始める為の準備』
翌日の昼休憩。
「ポスター…集客しないととか思ってたけど行動が早いですなぁ…」
あかりは掲示板に貼られたポスターを発見しつつ、穂乃果達の教室に到着する。
教室ではことりがスケッチブックに何かを描いていた。
書き終わったことりは描いた絵を見せる。
ピンクのワンピース風の衣装を着た穂乃果のイラストだ。
「何これかわいい!」
「ことりちゃん!これかわいいよ!凄く良いと思う!」
「あかりちゃん、穂乃果ちゃんありがとう!
ちょっとだけ難しい所があるけど、頑張って作ってみるよ!海未ちゃんはどう?」
恥ずかしがり屋である海未は固まっていた。
「…このスゥッと伸びている二本のこれは…?」
「脚だよ」
「即答だね、ことり。というか海未よ、これが脚じゃなかったら何だって言うんだい?」
「大丈夫だよ!海未ちゃん、そんなに脚太くないよ!」
「人の事言えるのですか!?」
海未の指摘に穂乃果は自身の下半身を触り
「よし、ダイエットだ!」
「二人とも大丈夫なんじゃないかなぁ…」
「あかりちゃんは…小学校を卒業した頃からあまり変わらないよね」
「ま、まぁね。それはそうと、グループ名はあるの?」
固まる3人に大丈夫かこの子達…と思うあかりは次の話題を持ち出す。
「あっ、それはそうと練習場所は確保したよ~。まぁ、屋上なんだけど…一応生徒会からOK貰ったから問題なく使えるけど…」
「雨が降ると使えない、ですか」
海未の言葉にあかりは頷く。
「でも、音を気にせずに練習できるよね!」
穂乃果の言葉に「Yes!」とあかりは返した。
「それはそうと曲の方はどーなの?」
「一年生にすっごく歌とピアノが上手な子がいたんだよ!
作曲も出来ると思うから明日私の方から頼んでみるよ!」
「もし作曲してもらえるなら作詞は大丈夫だよね、って穂乃果ちゃんと話してたんだ」
そう言った後、ことりは穂乃果と顔を合わせ
「海未ちゃんさ、中学校の時、ポエムとか書いてたよね…?」
海未に迫った。
「えっ!?」
「ポエム?」
頭を傾げる海未。
あかりもを首を傾げるが直ぐに大体の事を察した。
「私達に読ませてくれたことも、あるよね」
ニヤニヤしながら海未に迫る穂乃果とことり。
何を言うのか察した海未はその場からの脱出を試みるが…あかりに捕まる。
「嫌です!中学の頃のなんて恥ずかしいんですよ!」
と抵抗する海未に
「海未ちゃん…おねがぁい!」
ことりは渾身のおねだりを決行。
「もう…ことりはズルいです…」
海未は観念して作詞を引き受ける事になった。
放課後、1年生の教室。
「練習メニューはざっとこんな感じ、かな?」
とあかりはシャーペンを下ろす。
穂乃果達には先に帰る様にと言った彼女が書いていたのは練習メニューの内容である。
主に体力づくりの為の基礎トレーニングについて書かれている。
(一年のピアノの上手い子って十中八九、真姫だろうなぁ…)
と考えていた時だ。
「あれ?頼尽さん?」
あかりは声がした方を向く。其処にいたのは眼鏡をかけた生徒―小泉花陽である。
「小泉さん、どうしたんだい?」
とあかりは花陽に問う。
「ちょっと、忘れ物を取りに…頼尽さんは?」
「練習メニューを考えてた」
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