ハーメルン
ラブライブ!9人の女神と鋼鉄の戦女神
第19話『なくてはならない存在』

全員がアイドル研究部部室に入ったのを確認したあかりは鍵を閉める。
そして、穂乃果達は部室内に置いてある沢山のアイドルグッズやDVD、CDを見て感嘆の声を上げていた。
特にドルオタである花陽は目をキラキラと輝かせ機敏な動きで棚にある物を次々と見ている。
一方のにこは椅子に座って不機嫌そうな表情をしていた。
「こ、これは!?“伝説のアイドル伝説”通称伝伝伝の全巻BOX…!?持っている人に初めて会いました!」
あるDVD-BOXを手に取り、その身体を震わせている花陽の言葉に対し少し得意げな表情を見せるにこ。
「家にもうワンセットあるわよ」
その言葉に更に震撼する花陽。
「そんなにすごいの?」
「すごいなんてもんじゃないですよ!」
穂乃果の言葉に花陽は怒鳴り気味にそう返し、手近のパソコンを立ち上げると同時にそのBOXの解説を始めた。
その情熱的でいてかなり詳細に解説する姿は普段の温和な彼女とまるで別人であった。
因みにそんな花陽の幼なじみである凛は
「凛はこっちのかよちんも普段の大人しいかよちんも好きだにゃ~」
と落ち着いていた。
一方、ことりはあるサイン入り色紙を見ていた。
「気付いた?アキバの伝説のカリスマメイドの“ミナリンスキー”さんのサインよ。
まぁ、ネットで入手した物だから本人に直接会ったことは無いけど」
にこの言葉に何故か安心した様な表情をすることりにあかりは疑念を抱くが、とりあえず胸の中に仕舞う事にした。

その後、一同はテーブルに着いて話し合いを始めた。
「部長さん!」
「にこよ」
穂乃果の言葉に冷たく簡潔に返すにこ。
「にこ先輩!私達スクールアイドルをやってまして―」
「知ってるわよ。…どうせ希にでも話付けて来いって言われたんでしょ」
「なら―「お断りよ」えっ?」
「私達はμ'sとして活動できる場所が欲しいだけなんです。
なのでここを廃部にして欲しい訳ではありません」
「だからお断りだって言ってんの!アンタ達の行動はアイドルへの冒涜よ!」
「でも!ずっと歌もダンスも練習してきて―」
「そういうことじゃない!」
にこの気迫にあかり以外の面々は押されて黙り込む。
「…あんた達、ちゃんとキャラ作りしてんの?」
「キャラ…?」
首を傾げる穂乃果。
「そうよ!お客さんがアイドルに求めるのは夢の様な楽しい時間!
ならそれに相応しいキャラってもんがあるに決まっているじゃない!
仕方ないわねぇ…!見てなさい」
にこは立ち上がり、後ろを振り向く。
そして、“スイッチ”を切り替えた。
「にっこにこにー!貴方のハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤ににこ~!にこにーって覚えてLOVEにこ!」
2年生組は何を言えば良いのか分からず硬直し、あかりは気合いが入ってて相変わらず大したものだと感心し、花陽は真面目にメモを取り、真姫は気だるそうな目で「私無理」と言ってたり、凛に至っては―
「ちょっと寒くないかにゃー?」
禁句たる言葉を堂々と口にしていた。
「アンタ今、寒いって言った…?」
「い、いえ!そんなことないです!すごく可愛いと思います!最高です!」
凛がそう言った後、2年生組もにこを持ち上げ始めるが…本心からにこを尊敬しているのは花陽とあかりのみだった。
「アンタ今、寒いって言った…?」

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