第8話『王者』
インドミナスはまず人間であるオーウェン達に目を付ける。
その事に気付いたブルーは注意を引こうと立ち向かうが、テリジノサウルス由来の長い前足で払いのけ、ブルーは石柱に激突、地面に落ちて気絶する。
激昂したデルタ、エコー、チャーリーはインドミナスに飛びかかろうとする。
それに対しインドミナスは尻尾でデルタを叩き飛ばす。
飛ばされた先にはレストランのグリルがある。
もしグリルが誤作動したらデルタは焼け死んでしまう。
「マズい!あのままじゃ!」
その事に気付いたヴェルは
「腕部及び脚部のサーボモーター、リミッター解除!」
腕部と脚部のサーボモーターの(負荷軽減用)リミッターを解除する。
それによってヴェルは飛ばされるデルタとグリルの間に立ち、デルタを受け止めた後、彼女を安全な場所に寝かせる。
だが、そこへチャーリーもインドミナスの尻尾で叩き飛ばされてきたのだ。
ヴェルはチャーリーも受け止め、デルタとチャーリーを抱えて距離を取る。
「この子達を頼む!」
とヴェルは傷だらけで気絶している二羽をクレア達に任せてあかり達の元へ戻る。
続いてインドミナスはエコーを前足で捕らえ、噛み付こうとする。
「させないよ!」
それに対しあかりも腕部と脚部のサーボモーターのリミッターを解除。
インドミナスの下顎を無理やり持ち上げ、オーウェンがインドミナスの前足に向けて発砲し、衝撃によってエコーから手を離した隙に
「「ヴェル!!」」
ヴェルはエコーを抱えてデルタやチャーリーを寝かせている場所に避難させる。
それを確認したオーウェンはインドミナスの首辺りに発砲、痛みで頭を持ち上げた隙にあかりは離脱する。
「流石ハイブリッド…手強い相手だ」
と呟くヴェル。
「ヴェル姉ちゃん、大丈夫?」
「あぁ、今の所は、な…だが…こっちも弾が少なくなってきた。なくなるのも時間の問題だ」
「じゃあ、どうすれば…」
と呟くザックにヴェルはこう呟いた。
「戦況を変えられる…強力な力を持つ奴がいれば何とかなるかもしれない」
だが、トランステクターの使用を禁じられている中、そんな力を持つ存在はいるのだろうか?
「いるよ」
そう言ったのはグレイだった。
「強い奴ならいるよ!」
その強い奴が誰なのか―それに気付いたクレアは発煙筒と非常用通信機を手に
「此処で待ってて。“彼女”を呼んでくるから」
と言って、その“彼女”がいる場所へと向かった。
管制室にいるロウリーにクレアからの通信が入った。
『ロウリー!?まだ管制室にいる!?』
「あぁ、管制室にいるよクレア!」
『良かった…あなたに頼みがあるの!』
「頼みって何だい!?」
『“9番パドック”を開けて!』
「“9番パドック”だと…まさか…」
クレアがどうしようとしているのか気付いたマスラニ。
「本当にやる気かい?クレア」
クレアに問うロウリー。
『えぇ、もうこれしかないわ。ロウリー、今こそ男を見せる時よ』
「何で今それを言うのかな…全く、卑怯な女だよ」
スクリーンに映るクレアは非常用通信機を投げ捨てる。
そんなクレアの姿を見ながらロウリーは恐る恐る“9番パドック”のゲートのスイッチを押す。
クレアは発煙筒を作動させ、ゲートが開き終えるのを待つ。
そして、ゲートが開くと共に暗い茂みの中から“彼女”が地響きと共にその姿をゆっくりと現した。
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