ジャンヌ・ダルクとメフィラス星人
ロマ二から霊脈の大体の位置を聞いた立香は、そこへ向かう途中で『竜の魔女』では無いと言うジャンヌ・ダルクと出会い、話を聞くために、霊脈のある場所へ行く通り道にになっていた森の中で安全を確保した後、小休止する事にした。
「では、説明をお願いします。ジャンヌさん」
マシュがそう言うと、ジャンヌは話し始めた。まず、自分とは別にもう1人ジャンヌ・ダルクがいる事、そいつが『竜の魔女』と呼ばれている事、そして一応サーヴァントの調停者として召喚されはしたもののルーラーとしての力のほとんどが使えない事。以上3つを話し終え、ジャンヌは口を閉じた。
「もう1人の自分か……なんか面倒な事になってんな」
「でも、これでここが特異点になってる理由がわかったわ。この時代のフランスのあり方はそれだけで他国に色々影響を与えたから、もしこの国が崩壊したら歴史が停滞してしまうかもしれないってことね」
立香とマシュがジャンヌにカルデアについて教えている最中、クー・フーリンとオルガマリーはそんな事を言っていた。もっとも、クー・フーリンの方はランサーだった時に呼ばれた聖杯戦争でもっと複雑な自殺を考えているアーチャーにあった事があるのだが、記録としてしか知識にないのでイマイチ実感を持てなかったりする。
「とりあえず、もう1人のお前を倒せばいいのだろう?」
「そう言う事になるのでしょうか」
ガタノゾーアの言い分に頷くセイバー・リリィ。頷かなくとも此処にいるほぼ全員がそうするべきだと思ったが、何処にいるかがわからない以上まずは戦力を強化するために霊脈もある場所へと向かう。
*
『よし、そこだ。そこが霊脈が一番強い』
森の中のある場所で、ロマ二はそう言った。それを聞いて、召喚のための準備をマシュとオルガマリーが始める。多少時間がかかるようなので、立花はジャンヌと話す事にした。ちなみに、セイバー・リリィとクー・フーリンは辺りに危険生物がいないか見回りをし、ガタノゾーアはその2人が倒し損ねた敵がいた場合此処にいる立花達を守る為にその場に留まっている。
「ジャンヌってさ。ルーラー以外のクラス適正ってあるの?」
「いえ、私が他のクラスになる可能性は絶対にありません。霊基を弄られればその限りではありませんが」
「そうなんだ……あれ?でもジャンヌって剣とか使ってなかったけ?」
「確かに何回か使いましたしこの旗で何人も殺したことは事実ですが、少なくとも『座』は私を『そういう存在』と認識した様です。敵国の人間からしたら私が調停者なんてふざけるなと思われるかもしれませんが」
「そっか。でも、私はセイバーとかランサーのジャンヌも見てみたかったな」
「セイバーはわかりますが、ランサーですか……私槍は護身術程度しか習っていませんが、もしかして旗を槍の様に振るからですか?」
「そうそう。ジャンヌの戦い方を知らないけど、きっと適正があると思うんだ」
そんな他愛ない話をしていると、オルガマリーとマシュの準備が終わった様で呼ばれる。レイシフトにも許容人数はあり、それを超えると不具合が起こる可能性が上がるので、そう多くは召喚できないが、オルガマリーと立香が1人ずつ召喚出来るくらいには空きがある。ならば、その分戦力を増加してしまおうという事である。
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