ミナ=デティラ
しばらく考えても、いい策は思いつかなかった。
「ソースケ、朝だよー」
コンコンとノック音が聞こえてくる。
「ああ、起きてるよ、レイファ」
俺は手近の服をサッと着る。
インナーで寝ていたので、そのままだと問題だろうからな。
扉を開けるとレイファがニコニコしながら待っていた。
「おはよう、ソースケ」
「ああ、おはよう、レイファ」
天使がいた。
まさにこの世の天使だろう。
この天使を歪ませるのは、誰が許そうと俺が許せない。
レイファの肉体も精神も、守るのは俺自身である。
クソ女神の……メガヴィッチの制約に俺は負けてはならなかった。
逆らえば頭と魂がパーンではあるが。
「朝ごはんできてるから、食べに行こう?」
「ああ」
「えへへ」
うーん、こういう妹は最高やな!
だが、この妹を守るためにも、俺はヴィッチとレイファを会わせてはいけないと思う。
あのクソ女がどういう人物かと言うのは【盾の勇者の成り上がり】で散々思い知っているからな。
一番は、燻製……マルドみたいな同類に押し付けてしまう事だろう。
類は友を呼ぶと言うしな。
自分から離れていったならば、制約には違反しないだろう。
……この国にはそう言う自分勝手な奴らは多数いるだろうから、押し付ける分にはそこまで問題ではないだろうな。
最悪、錬を見習って普段は別行動にしてしまうのもアリかもな。
俺はそんな事を考えながら、朝食を食べてしまった。
「坊主、仕事に行くぞ」
「ああ」
「私は?」
「レイファには今日は別の仕事を任せる予定だ」
「うん、わかった」
と言うわけで、俺はドラルさんに連れられて、次の依頼を受けに行った。
「坊主、基本はお前にはギルドで仕事を受けてもらう」
「ああ、だから登録をしたんだな」
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