王道的異世界転移
「菊池宗介さん、あなたは死んでしまいました」
目の前に、美しい女性が立っていた。
なんと表現したらいいのだろう?
アニメで例えるなら、そう、ミレリア=Q=メルロマルクを思い起こさせる姿をしている。
過剰とも言えるレベルで豪勢な服を着た女だった。それはその女性に似合っており、女性の美しさを引き立てている……いや、むしろその飾りが脇役か端役であるような印象を受ける女性であった。
「こちらの不手際で、申し訳ありませんがあなたを死なせてしまいました」
そう告げる女性であるが、ちっとも申し訳なさそうである。
「えっと、俺はさっきトラックに跳ねられて死んだということですか?」
「ええ、その認識で間違いありません」
あの強烈な痛みを思い出せば、確かに俺は死んだのだろう。
せっかく【盾の勇者の成り上がり22巻】を購入して、まだ40ページまでしか読んでいなかったというのに……。残念である。
「わかりました。手違いでも死亡は死亡。俺はこれからどうなるのですか?」
「はい、あなたには記憶をそのままに転生していただこうかと思っていますわ」
「転生?」
嫌な予感がする。
どうにも【盾の勇者の成り上がり】を読んでいたせいか、俺は転生というものは拒否感があった。いや、【盾の勇者】世界じゃないなら文句は言わない。
だが、【盾の勇者】世界や【狩猟具の勇者】世界に転生でもしてみろ。
きっと待っているのはDEADENDである。
なので、俺はこう申告することにした。
「あのー、菊池宗介のまま転生……つまりは異世界転移ってできないですか?」
そう、転生して【ソウルイータースピア】で突き刺されるよりはマシである。と結論づけて、俺は転移を望んだのだ。
女神と思わしき女性は少し考えると、肯首する。
「ええ、可能ですわ」
「そ、そうか。それなら良かった」
俺はホッとする。それならば見ただけで転移者とわかるし、【試しにソウルイータースピアで突いてみよう】とはならないはずだ。
これは、【槍の勇者のやり直し】のフォーブレイ編での出来事であるが、転生者をあぶり出すためにソウルバキューマーと言う魔物に魂を吸わせて、転生者をあぶり出すと言う方法がある。この時、槍の勇者がソウルイータースピアで突き刺して魂を爆散させるエピソードがあるのだ。
魂ごと消されるなんてたまったものではない!
「では、そんな謙虚なあなたには、転生特典としてあるチートを授けます」
「いや、いらないです」
俺はソッコーでお断りする。
どう言うチートかしらないが、俺は努力を積み重ねて強くなる方が好きなのだ。
だが、この女神様っぽい女性は話を聞かないタイプであった。
「気に入りましたわ! では、あなたには4つの【勇者の武器】を装備できるチートを授けましょう!」
「……え?」
おい、【勇者の武器】と言わなかったか?
まさか、俺の目の前にいるのは■■■■・■■■・■■■■■じゃないのか?!
ちなみに伏せたのは俺の意思である。
詳しくはweb小説版を見てね。
さて、【勇者の武器】と言うのは、世界を守る精霊の力である。
これが意味することは、すなわち。俺がこれから転移する先は、【盾の勇者の成り上がり】世界ということになる。
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