18VOLT
ノイズの発生を確認して司令室へ向かうボクと翼。ボクはもともと二課本部にいたため、戦闘服を身に纏いいつでも出撃する準備は出来ている。翼に至っても制服姿だが歌う事によりシンフォギアを纏えるため戦闘準備は既に完了している。
「状況を教えて下さい!」
翼は司令室に入るとオペレーター達に現状を把握するために情報を要求する。
「現在反応を絞り込んでノイズの位置の特定を急いでいます!」
ボクはそれを聞くとデバイスの方に向かい、機材に手を当ててここから繋ぐ事の出来る監視カメラの映像を一つのモニターに複数出現させる。何箇所かダメになっているカメラもあったが、その中の複数の過去の映像からノイズの写り込んでるものをピックアップする。
「監視カメラの映像を確認した。ノイズに追われている生存者2名を発見。一人は幼い少女。もう一人はリディアンの生徒だ。逃げた方向とその先の監視カメラに映ってない事から、この先の工業地帯に逃げ込んでいる可能性がある」
その情報を全ての職員に伝えると、職員達はその付近の反応を調べ始め、ものの数分でノイズの現在地を特定した。
「でかしたぞ、ガンヴォルト!これより、生存者2名の救出に移る!ガンヴォルト!お前は街から他の生存者がいないか確認をしながら工業地帯に向かえ!翼はこのまま工業地帯へと向かい、生存者の救出を頼む!」
その瞬間、司令室にアラームが響き渡る。画面を見るとノイズの反応とは別に大きなエネルギー反応を示すグラフが映し出されていた。
「ノイズとは異なる高質量エネルギーを検知!波形の照合を急ぎます!」
職員達が一斉に動き始め、過去に出現した様々なグラフを確認する。そして了子がいち早くその正体を見破ったのか呟くように言った。
「まさかこれって!アウフヴァッヘン波形!?」
呟くと同時に了子の画面が素早く切り替わり、今まで確認されたアウフヴァッヘン波形が司令室の大型スクリーンに映し出された。そして照合されていくグラフの中、全員が驚きを隠せない波形と重なった。
「まさか、ガングニールだと!?バカな!あれは今も我々の基地に保管されているはず!」
「そんなはずはない!だってガングニールは奏の…奏だけのシンフォギアのはず!」
「私達の持っている物はガングニールの欠片に過ぎないわ。もしかしたら、何かしらの経緯で欠片を持っていた子が土壇場で適合した可能性もあるわ」
弦十郎と翼はあり得ないというように言うが、了子はそんな二人に対し、可能性の話をしてこの状況を分析する。そんな話をしている間にボクはダートリーダーにマガジンを装填して司令室を出ようとする。
「何処に行くつもりだ!ガンヴォルト!」
「何処って、さっき言っていた街の生存者の捜索とノイズの掃討にだよ。奏と保管しているガングニールは無事な事はさっき病院内と基地内のカメラで確認した。奏と保管されているガングニールが無事ならこんなところで言い合いをするよりもより多くの命を助けるために動くべきだ」
そう言ってボクは司令室を出て、市街地へと向かった。
◇◇◇◇◇◇
ガンヴォルトが出て行くのを見送った弦十郎達。
「全く、俺達がどうかしていたな。あいつの言う通り、俺達の役目は人々をノイズから一人でも多く救う事だ。こんなところで議論してたところで救える命すら救えなくなっちまう」
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