2VOLT
目を覚ますと今度は真っ白な天井が目に入る。
「確か怪物と戦っていて…」
怪物と戦いを終えて気持ち悪くなり、路地裏で休んでいたら変な格好をした女の子が来て、また怪物が来たため倒したところまで覚えている。
今まで第七波動を使っていて、こんな事がなかったため、どうして倒れたか不明だ。もしかしたら、装備の補助もない状態で同じ出力で使用した結果なのかもしれない。
ぼやけた視界で辺りを見渡すと個室の病室だと思われる。皇神の施設の可能性もあるが、拘束されてないのならば逃げる事は可能だろう。
状況を確認している時、唯一の逃げ道であった入り口の扉が開き、誰かが入ってくる。高い身長にスーツを着た男性?まではなんとなく分かるが顔までは判別出来ない。
「気が付いたみたいですね」
そう声を掛けてきた。誰だか分からないが、あの変な格好をした少女の関係者だろうか。
「ここは何処ですか?」
当たり障りのない会話を行い、情報を得ようと考え、返答に答える。
「ここはある施設の医療室です。そんな心配しなくても大丈夫ですよ。決して悪い事を行う場所ではないので。後、君が運び込まれてから意識を取り戻すまで2時間も経っていません」
僅かな空気の変化を察したのか、こちらがいつでも戦闘出来るようになったと同時にそう告げた。相手の力量が相当なものと理解する。警戒をしているとスーツの男性が話を進める。
「君こそ、どうしてあんな所に?運び込まれた時の服装から見て、病院から抜け出してきたんですか?」
「分からない…。気が付いたらあの付近に倒れていて…人が大勢いる場所を目指して出た所にあの怪物が現れていたんだ」
「怪物…それはこんな感じでしょうか?」
スーツの男性は何処からともなくフリップを取り出した。フリップに写されているものが見えるくらい顔を近付けて見ると意識を失うまで戦っていた怪物の写真があった。ボクはコクリと頷く。
「そうですか。こちらのフリップに写っているものはノイズと呼ばれるものです。急に現れて人々を炭にしてノイズ自体も自壊して消える事から災害として認識されています」
怪物、ノイズという存在はそんなものらしい。それなら質量兵器や光学兵器で倒せば問題ないのでは?と考えていると...
「でも、このノイズには位相差障壁と呼ばれる特殊な障壁によって現存する兵器ではほぼ倒す事が出来ないのよねん」
気付いてはいたが、扉を開けて誰かが入りながらそう言った。声からして女性だろう。目がぼんやりして分からないが、頭の上に髪だと思われるものをこれでもかというくらい盛っている。
「櫻井さん、自分の分野の説明になったからって入ってこないで下さい。司令が話すと止まらなくなるから待機してるよう言ってたじゃないですか」
櫻井と呼ばれた女性はごめんごめん、と言いながらスーツの男性に謝っていた。
「で、単刀直入に聞くんだけど…その障壁を無効化して倒したあなた…いったい何者なの?」
先程の雰囲気を壊すようなピリッとした空気を醸し出す女性。
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