ハーメルン
落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです
14話
正人SIDE
「ま、待て!」
俺の呼び声を無視して洞穴から出ていく香織。直ぐにでも追いかけて宥めたいところだが先ずはクロノを話を聞くことにしよう。
《いや、本当にすまない。こちらも悪気があってしたわけではない。だから正人、その冷ややかな目を向けるのは止めてくれないか?》
申し訳なさそうにいや、実際、申し訳ないのだが、言葉を詰まらせるクロノに俺は気付かなかった俺も同罪かっと溜め息を付き、クロノと映像腰で向き合う。
《色々と言いたいことがあるが先ずは、無事でよかった》
「身だけはな…状況が状況で素直には喜べないけど」
《そうか…なら手短にいこう、正人の状況を教えてくれないか?》
「…回線もいつまで持つかわからないからな、わかったまず…」
これまで一度も繋がらなかった通信だ。今は良好でも途端に悪くなるかもしれない。
だから、お互いに持っている情報を手短に交換するとかなり整理することができた。
「なるほど、つまり管理局が介入できるのは極めて低いってことか」
《この通信も結界の穴から通してできたもので、長距離転移でトータスに人を送り込むことは不可能だ。それより気になるのは君がみた初代リィンフォースについて……見間違いというわけではないんだな?》
「リィンフォースを見間違えるわけないだろ?それに香織の話だとディアボリック・エミッションをぶちかまそうとしたらしいし…」
香織からことの経緯は聞いている。だからリィンフォースが放とうとした黒い球体、俺が知る限りではディアボリック・エミッション以外ありえないし、その上それを使える魔導士となればリィンフォースか後ははやてだけ。
《そうだな、そういうことなら、はやて達が感じた気配のことも納得がいく》
「はやて達が?」
《ああ、君の魔力反応を感知した同じ頃にはやて達がリィンフォースの気配を感じたといっていた。》
はやて達にそんなことが……夜天の主であるはやてとその騎士であるシグナム達、そしてあの日失ったと思っていたリィンフォース。
これらは夜天の書という魔導書で繋がっている。リィンフォースのことも感づいても可笑しくない。
《理由はどうあれ、その世界で起きているものと君達が転移させられた事態は僕たち管理局も見過ごすことができない事実だ。しかしそのための手段がない。強硬するといらないしこりを生むだろう。その上リィンフォースのこともある。正人には……》
クロノ達はこの事件を改めて重い事件と判断する。
地球で起きた神隠し事件に消えた生徒達は教会により戦争を強要されそれに賛成している。その上、七年前に消えた初代リィンフォースとなると頭痛の種のオンパレードといっても過言ではない。
しかし俺の脳裏には香織の言葉が浮かび上がる。
(正人くんは……本当にそれでいいの?)
……良いわけないだろう?此処は一線退き、管理局の手助けをするのが得策。
しかし、俺の心は戦いたいと前に進むことを望んでいる。望まぬ結果で挫け折れた心がまた灯がともり始めている。
「クロノ、俺にやらせてくれ」
「っ!駄目だ、君では危険すぎる、仮にもリィンフォースとまた戦うことになるその時君に勝算があるのか?」
その言葉にクロノは驚く。そして提督としてのクロノの言葉は現実を突きつけるものだった。
「……わかってるよ、だけどクロノ、あの時だって勝算なんてなかったんだろ?」
闇の書の事件のときもそうだった。突然の出来事だったし、なのはたちも勝てる見込みもなかった。
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