ハーメルン
落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです
17話
薄暗い迷宮を正人は駆けた。
神経を尖らせ音と気配を取りこぼさないように集中し地面を勢い良く蹴って最短で駆ける。
勿論正人が向かっているのは銃声が鳴り響く方向。
何度も銃声が鳴り響いているために正人は迷わず。速度を緩めることなく進んでいく。
気配は敏感に捉えるようにしている正人だが此処ら一帯の魔物は完全に鳴りを潜めていた。
まるで魔物達が何かに怯えているように感じた正人は更に嫌な予感を強める。
「銃声はこの先だ…!」
オリオンを強く握りしめ通路を出た正人、そしてその先に目にした先には彼が予想していた以上の光景が待ち受けていた。
「俺の糧となれ」
それと共に放たれた銃声、正人が到着した直後、白髪の男は手に持つ大型のリボルバータイプのハンドガンを銃口の先にいる大型の熊の額に銃弾がめり込み。倒す瞬間だった。
白髪の男も屠られた熊も両者睨み合ったままだったが、地面を削りながら止まった正人は白髪の男に対して叫んだ。
「南雲!!!」
「っ!」
南雲と叫ぶ正人、それに反応してか白髪の男も信じられない顔つきで正人を見ていた。
正人の中のハジメは黒髪で白髪の男より体格も小柄だった。
正人も確実な確証は無く、どちらかと言えば反射的にあれはハジメであると思い叫んだのだ。
お互い突然の邂逅で動かなかったが、しばらくするとハジメと思われる男性が乾いた笑い声を上げる。
「そうか…本当に質が悪いな…おい」
「……南雲?」
唐突の笑い声に動揺する正人だが
前回
(
リィンフォース
)
のこともあるために警戒は緩めない。既に何時でも迎撃できるように覗っていた。
「随分警戒してるじゃねえか、死んだ八坂の姿をしていれば俺を騙し討ちできるって思ったか?」
ハジメも正人を見て少しだけ動揺したが今いる正人を魔物が化けているだけと決めつけとても話し合う空気ではなかった。
「少し前までの俺ならひっかかってたかもな!」
「っ!」
ハジメの言葉と共に銃口は正人へと向けられ躊躇なくトリガーを引き銃口から弾丸が放たれる。
臨戦態勢を取っていた正人はそれを紙一重で回避、放たれた銃弾をしっかり見て銃の威力を確認する。
正人は南雲の根城で見つけたあの設計図に描かれていた銃器であることは戦闘になる前にわかっていた。だが実物は正人の予想を遥かに上回る性能であることを感じ取り冷や汗をかく。
(予想していたより、かなり完成度が良いあの銃、現代兵器以上の性能を誇ってやがる。多分直撃すればただじゃ済まない)
「ちぃ、避けられたか。スペックはあの爪熊より上らしいな。能力も特殊そうだし、殺して食って、俺の糧にしてやる!」
ハジメの銃器……正人は知らないがドンナーは正人の知る知識地球の銃器の性能を上回り。騎士甲冑を身に纏っている正人もあれを食らえば甲冑は貫通するだろうと予想し強面な顔でハジメを見る。ハジメもまた避けられたことに舌打ち、そして正人の性能は先程殺した仇敵である。爪熊以上と判断すると不適に笑みを浮かべ。ドンナーの銃弾をリロードしてまた構え直し正人目掛けて雷が帯びた弾丸が襲いかかる。
(さっきのリロードでリボルバーから捨てられた銃弾は6発……つまり6発撃たせた後のリロードを肉薄して攻める。)
そう考えながらも正人は三発目の銃弾を回避。四発目と五発目の牽制と先読みの銃弾で牽制の弾丸はまず当たるはずもなく、それで動きを制限され正人の移動先を狙い撃つように撃たれたがそれは武装強化したオリオンで切り落とされる。
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