ハーメルン
休止 鋼鉄のレクイエム -双胴戦艦播磨出撃する!-
後編 作戦名:超高速巡洋戦艦迎撃作戦

鎮守府正面海域

「あれがあの新しい戦艦?」
後ろを振り向いて播磨を見る敷波
「そうだよ、で私が見つけたんだ!あぁ司令官に褒められるかなぁ~♪」
「いいなぁ、私もたまには司令官に褒められてほしいなぁ」
その二人の光景を播磨は微笑ましく見ていた。
播磨達一行は無人島を後にして海鎮守府へ向かっていた。
その途中で輸送船護衛部隊と合流し共に鎮守府へ向かっているところだ。
現在の時刻は明け方に近い、とはいえ辺りはまだ真っ暗だった。
後ろを振り向くと木曽が私の監視役で、少し間隔を空けて追いてくる。
顔はまだ膨れっ面でいる。
珍しく天龍と意見が合わなかったことにまだご立腹の様子だった。
「フフフ♪」
その表情に播磨はつい笑ってしまった。
「おい!何がおかしい!」
木曾は怒ったが播磨はまだ笑っていた。
「フフフ、だってそんな可愛らしい顔をされたら思わず笑ってしまいますよ」
「か、可愛らしい///?!」
播磨の言葉に木曾は動揺し顔が赤くなり始めた。
「貴様おちょくってるのか!!」
「そんなことないですよ、うん?」
明るくなり始めた水平線近くで何か光ったように見えた。
「なにか...ぐっ!!」
播磨に強烈な頭痛がし、頭を押さえその場に座りこんでしまった。
「おい大丈夫か播磨!」
播磨の元へ木曽が駆け寄ろうとしたその時。
輸送船団の回りに複数の爆発と共に、水柱が立つ。
「砲撃、敵襲!敵襲!偵察艦隊は敵迎撃に向かうぞ!輸送船団は急いで湾内へ!」
天龍は急いで各艦に伝達をする。
「クソっこんな時に、おい敷波!」
「はい!」
「播磨は頼んだ!」
「了解!」
木曾と天龍は吹雪と雷、電を引き連れて迎撃に向かった。
うずくまっていた播磨は頭痛に混じって流れ込んでくる波長を感じた。
自分達と同じこの世界では異端で異色で異常な存在。
「この感じ...、“ヴィルべルヴィント”!!」
播磨は天龍達が走っていった方向を睨み付ける。
「播磨退避するよ、播磨?」
敷波が心配して播磨の元に来てくれた。播磨は立ち上がり敷波へ向く。
「敷波さん!私もあの戦闘に加わります!敷波さんは私より被弾した輸送船を心配して下さい!!」
敷波は止めようとしたが遅かった、播磨は水面を蹴り一気に加速して戦闘へ向かっていってしまった。
戦艦とは思えない加速に一瞬唖然としてしまった。
敷波は気を取り直して、被弾して傾き始めていた輸送船の救助に向かった。

天龍と木曽はお得意の接近戦でリ級?に一撃を与えようとしたが無駄だった、手に持った刀で斬り込もうと接近しても速力で振り切られる。一撃離脱を狙っても急な加減速で避けられてしまう。
こんな事は二人にとって始めてだった。
『撃てぇー!』
天龍と木曾、各駆逐艦から一斉に砲撃をする。
だがそのリ級?には一発も当たらない、夜間戦闘ってのもあると思われるが兎に角、的が速すぎる。
見越して射撃しても殆どが後ろに着弾してしまう。
向こうもこちらが見えにくくせいか、今の所一発も被弾していない。だが、何時かは当たるかもしれない。
「それにしても、不気味だなあの眼の光は」
「あぁそうだな、俺は始めて見る色だ」
天龍と木曾が言う通り今遠くを疾走するリ級?は紫色に光っている。

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