ハーメルン
Fate/Select Advance “旧題:静謐が俺の鯖の件について”
始まりについて
今日も朝が……月曜日が来た。
月曜日はなんで仕事行きたくないと思うかな、てな感じで気怠さを感じながらも壁に掛けてある灰色のサラリーマンの装備一式を皺から守るハンガーから、装備を取ろうとする。
さて、自己紹介は……30間近のおっさんの名前なんて知りたい奴はいないだろうけど、富田鉄心という。
野郎はおっさんに興味ない筈だし覚えなくて構わない。
だって、俺も基本的に仕事関連でもない限りは野郎の名前なんて覚える気ないし、着替えようとしながらも見るのは明るくなり始めた外のいつもの光景……あれ?
「何、これ……?」
起きてみたら、窓から見える歩道と道路関係なく走り回る人達と、走り回る人達を追いかけている骸骨達という一見するとB級ホラーの撮影でもしているのかと思える光景。
いきなり日常から非日常なものを見たお陰で、目がシャッキリと覚めてしまう俺は、興味深々でどこかにカメラマンがいるのかと、窓越しから確認してみたがどこにもカメラマンはおらず。
そうして探している内に、一人が背中を剣で斬られてしまい赤い液体が道路の一部分を赤く染めていく。
「ず、随分とリアルだな。B級ホラーにしては」
背中を斬られ倒れる人に、ボロ布を纏う骸骨が跨がると剣で何度も串刺しにし始めた。
串刺しにされる、その度に「も、ゆるし……」と窓を開けてまで何が起きているかを見聞きする俺は。
「…………え?」
無惨なことになった人から立ち上がると、骸骨は獲物を求めるようにノロノロとした歩きでどこかへ消えようとしていた。
「きゃー!?」
「だ、誰か、助けて!!」
「うわあああ!?」
「あ、あなたー!?」
窓を開けていた為、外から聞こえてくるのは助けを求める声と悲鳴と断末魔らしきもの。
これ、もしかして……
1,所詮、これは只の夢や 2,新手のドッキリ番組か何か 3,ハロウィーン! 4,ところがどっこい、これが現実……!
1は右頬を引っ張ってみたが普通に痛いだけなので、おそらく夢ではない。
2はここまでやるかというレベルにしか見えないから、違うと思う。
3は……今は1月だよ、無いわ。
となると、脳内に浮かび上がった4の選択肢しか選べないのだが、窓から見えるものが現実離れしてるので、これも違うんじゃないかと思ってしまう。
後、今まで気付けなかった俺がマヌケなのは認めるとして……
「ああ……この人は死なない。何度、私が触れても……ああ、私のマスター」
なんか、めっちゃレベル高い静謐のハサンのコスプレしてる子がいつの間にか不法侵入した挙げ句に、俺の右腕を触りまくりな不審者がいました。
てか、声がそっくりすぎなのも含めて本物が目の前にいるのではといいレベルだし、美少女だし……だけど、不審者でしかない。
「君、何してんの?」
「あっ、ごめんなさい」
「今から、警察に電話するね」
「…………」
警察に電話する、の辺りで困り顔のコスプレ美少女は逃げる様子を見せずなことが可笑しく思えたが、今は警察に電話してみて外と美少女のことをなんとかしてもらおう。
「……あれ?」
……電話が、繋がらなかった。
というより、混雑してしまっているようだった。
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