ハーメルン
Fate/Select Advance “旧題:静謐が俺の鯖の件について”
宿泊場所の謎の件について
部長を見送ってからは、俺は自動車が使えないかと思いあちらこちらを探し回ってみたのだが、どれも大抵が衝突事故を起こして壊れていたり、車内が血塗れになっていたり、敵にやられたのかガラスが割れボンネットやドアがベッコベコにへこんで使い物にならなかったりで見つからずのまま。
かといってバイクでは音が大きいだろうから、この状況での使用向かないだろう。
そんなことしたら、音で敵を呼んでしまうという自殺行為になってしまう。
ここは自転車という移動手段に頼るしかいけど、もちろんベルは外すかしないと駄目だろう。
何かの拍子に鳴ってしまったら、敵に居場所を知られる可能性があるからな。
「ホームセンターは、この近くにはないから……」
自転車置き場から勝手に誰かのを借りるか、どこかの大きな店にある自転車を貰うかだ。
この場合は、手っ取り早く自転車置き場に行った方が早いので、ギア付き5段の自転車を貰っておく。
掛けられていた鍵については静謐に毒で腐食させて壊してもらい、前の籠にリュックを入れてから、そういえば自転車に乗るのは久しぶりだったことに気付く。
高校生の頃を最後に、自転車に乗った記憶が全然ないので大丈夫だろうかと不安になったけど案外と体は感覚などを忘れていなかったようで、高校時代と同じ感覚で乗ることが出来た。
しかし、自転車では自動車のようにそれなりの荷物を運ぶのは出来ない弱点があるので、そこはどうしようと悩んだけど、身軽と音が小さいという条件を重視すれば自転車は悪くないんだよな。
それに、荷台に箱か何かを用意し、載せられる荷物を中に入れて移動すれば良いので、主な移動手段は自転車に決定となった。
「次は少しの着替えだよな。そこはデパートで仕入れるとして……」
「あの、マスター」
「ん? 静謐、どうした?」
デパートへ行き、着替えや荷台に載せられる箱になるものを探そうと移動を始めようとしていると、静謐が何かを言おうとしてくる。
もしかすると、近くに敵か、もしくは人がいるのかと予想していたのだが、彼女の口から出てきた言葉が……
「今日の夜も可能ならば、添い寝の許可をお願いしたいのです」
とのことだった。
……どうしよう、とんでもなく魅力的なお願いではあるけれど、それを今、許してしまうと歯止めが利かなくなりそうなんだよな。
下手をしたら、精神が最高にハイになって理性崩壊じゃないか。
静謐もそうだが、俺の歯止めが壊れちゃう。
だから、もっともらしい理由を述べて出来ないと断ろうとしてみたんだけど。
「護衛のことでしたら、最適なドールに……騎士王のドールに任せてしまえば心配は無用です。最優のセイバーであるのと、彼女の直感はドールであってもスキルなので健在。ならば、彼女に任せてしまえば襲撃される前に気付けますし、されても彼女が守ってくれます」
はい、論破されてしまいました。
てか、ドールとはいえ騎士王を添い寝をしたいという欲望の為に悪い方向に利用するとかなんてあんまりなことだ。
儚げな見た目なのに、以外と図太い神経してたよ。
なんて恐ろしい子だと戦慄してしまう後、論破されたのと自分の欲望に膝を屈してしまった俺は添い寝の許可を許してしまい、許可を得た静謐は大感嬉と俺に飛びつくように抱きついてくる。
ああ、俺の誘惑耐性があまりにも脆すぎて、某理性蒸発ライダー並なのではと疑いたくなりつつも、デパートの中で旅の荷物になる物を漁るのであった。
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