ハーメルン
ありふれた神様転生の神様の前世の魔王様は異世界に放り込まれる
第15話
「一体何があったらこんなことになんだよ」
ハジメ達が希依のもとへと駆けつけると、既に黒龍との戦闘は終わったのか大量の魔物の死体の山の上で黒龍が気絶しており、行方不明者かと思われる冒険者の鞄を希依が漁っているところでハジメ達が到着した。
「お、ステータスプレートみっけ。ウィル・クデタ、ねぇ」
「希依さんメッ、ですよ!人の荷物を漁ってはいけません!」
「先生、まず言うことがそれかよ」
「…ん、愛子、意外と逞しい?」
「ハジメくん!探してた人ってこのウィルって人でいいの?」
「おう。てか随分早かったな」
「私の気配察知は2050年の軍事レーダーよりも広範囲で高精度だからね!」
「そこまで来ると怖えぇよ。…それなら落ちた俺を探しに来れたんじゃねぇの?」
そういえばこいつ、俺が落ちる時笑ってやがったなと思い出す。
シアとユエ、愛子までもが「確かに」と、希依に疑いをかける。
「なんで?助けに行く必要あった?」
「「「は?」」」
「だってハジメくんがどうやってかは知らないけど助かって、強い力をもって迷宮から出てくるのは分かってたことだし、獣人であるシアちゃんを人間の街でもお構い無しに連れ回すのはびっくりだけどそれでも女の子連れてるくらいは予想通りだし。
そもそも仮に、もし私があの後飛び降りてハジメくん担いで香織ちゃん達と帰ったとして、その場合ユエちゃんとシアちゃんはこの場に居られたのかな?
二人にどんな事があって何をしてもらって何をもたらしたかなんて知らないけど、ハジメくんのもとで仲良く幸せにとはいかなかったと、勝手ながら思わせてもらうよ」
「希依さん、その、その考え方は…」
愛子は恐れるような、憐れむような目で希依を見つめる。
「そんな、そんな理由で見捨てるなんて…」
「…ん。でもシア、そんな理由でもそうでないと私達はハジメに助けてもらえなかった。そもそも、怒るも怒らないもハジメ次第」
「ま、そもそも私には直接的な手助けが根本的というか、血縁的に向いてないからっていうのもあるんだけどね。お父さんが這いよる混沌だし」
「最後の一言で決心したわ!お前二度と関わんじゃねぇ!」
「南雲くん!?それはちょっと酷くないですか!?」
「いいか先生、這いよる混沌、ニャルラトホテプっていうんだが、人間に規格外な兵器とかよこして破滅させるクトゥルフ神話最強クラスの神の一柱だ」
「お父さん曰く感覚的にはなろう系のラノベ読んでるのと似た感覚だったらしいけどね。
お母さんに色々されて改心したあとは自己嫌悪しまくったあと親バカになって私が困ったりしたけど。
君たちにわかる?魔王よりも魔王みたいな登場してきたくせ邪神が赤いスーパーヒーローみたいなふざけた格好して君のお父さんだよーなんて言われた当時19歳JK兼魔王だった私の気持ちが!」
「わ、悪かったよ。なんかすまん」
「あと一応肉体的には100%人間らしいから安心していいよ」
「…お前の身体能力は100%邪神って言われた方が納得いくんだが」
「そこはまぁフワッフワさせておこうよ」
説明面倒だし。と付け加えて希依はクックが魔物を一通り食べ終えて地面に寝かせられている龍を引きずって持ってくる。
[9]前話
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:1/4
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク