ハーメルン
Armee du paradis ー軍人と戦術人形、地の果てにてー
再会
旧式のロシア製小型軍用車両と最新型の鉄血装輪歩兵輸送車の奇妙な車列が打ち棄てられた基地の門を潜る。
そう、俺たちだ。
建物の上に設置された23mm機関砲たちがカメラ越しにじっと見つめてくる光景は異様だったので目をそらした。
そんな俺を差し置いて、後席に座る仲間は思い思いにリラックスしていた。
「帰ってきたって気がするわね」
とは装備を緩めて手でパタパタ扇いでいる416の弁。
「なんていうんでしょうか、安心しますね」
とはルーフの銃座に立って大きく伸びをしている9A-91の弁。
なんというか、彼女たちを見ていると味方の機関砲台如きにビビっている自分が情けなくなって来た。
構内を進ませて扉が開かれた格納庫へと入る。
所定の駐車位置で止め、パーキングブレーキを引いた。本当、万が一に備えた手動運転装置が据え付けられていて良かった。
なかったらUMP45に電子的に運転してもらう必要があったからな。
車を出ると、
3
(
・
)
人
(
・
)
の人物が俺を待っていた。
いずれも俺のよく知る人物だ。
「おかえりなさい」
「ああ、ただいま。銃、ありがとう」
FALと挨拶を交わし、借りていた銃を返却する。
「大事に使ってくれたみたいで何より」
そこで、俺は彼女の隣に並ぶ2人に目を向けた。
「……さて、ロバート・ジョナス大尉とスコーピオン、久しぶりだな。無事で良かった」
「ええ、元気そうで何よりです、ディビッド・A・エドワーズ少佐……なんですか、俺がワイルドライフ満喫している間に少佐は美少女侍らしてキャッキャウフフですか」
「ご挨拶だなジョナス君。とりあえず23mm機関砲に焼かれてみてはどうだ?」
「ひえー、怖……ま、ヘリから落ちたってのに外傷も特になしのようで何よりですよ。ほっつき歩いていたらここにたどり着いたんですけどね。入ってびっくり、隻腕のFALがレーションかじってたんですよ」
「そうそう! というか、FALから聞いたけどなんか面白そうなことしてるんじゃん。あたしたちも混ぜてよ!」
相変わらず押しが強い夫婦だよ、まったく。
とりあえず、こいつらは戦術面のみならず工作面においても有能な部下だ。仲間に引き入れるに越したことはない。
が、まずはリーダー役の意見を聞いた方がいい。
「というわけで、UMP45。この2人が俺の部下で一緒のヘリに乗ってた面々だ。俺としては有能な人材ということもあるから是非確保したい。……いいか?」
「私は別に構わないよ? 人手が足りてないしあんたの部下なら信用はできるし。……あーそうだ、近いうちに指揮系統決めとかないと」
「それもそうだな。とりあえずありがとう、他の面々にも話してみる」
「それがいいと思う」
結局、ジョナスとスコーピオンの参加を拒否するものはいなかったので今日から晴れて俺たちソルダット・デュ・パラディスの仲間となった。
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