ハーメルン
時を操る狐面の少女が鬼殺隊で柱を超えたそうですよ
時の呼吸


素早く周囲を警戒していると、後ろで刀を鞘に収めた狐面少女の姿があった。

「なにをしたが分からないが、逃げることに精一杯だったようだな!」

追撃に大きめの針を伸ばした瞬間、針にビギっと大きなヒビが入る。

(!?な、なにが…!)

その針はそのまま崩れたかと思うと自分自身の頸から血が横線を作る感触が伝わり、視線が横にずれて地面が近づいてくる。

「…ありえ、ない…」

そう言い残しながら鬼の頸は地面へと落ち、塵となって消えていくのだった。



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まだ使いこなせていない《時の呼吸 壱ノ段 瞬き》は確実に殺せると確信した時にしか使わないし、使えない。
自由に使えるようにしたと言っても、まだやすやすと使える代物じゃないのだ。

もし先ほどの攻撃で黒丸から本体が出てこなかった場合、持久戦になっていたと思う。

そう考えつつ南山にいるであろう大谷さんに合流しようと思い町中を走っていると手前の十字路を右から小走りで出てきた大谷さんを見つける。

「大谷さん!そちらはもう終わったのですか?」

「はい、特に何の異能も持ってない雑魚鬼でしたので早めに終わってました。大竹さんも…終わったようですね」

「はい、血鬼術が少しやっかいでしたが、問題ありませんでした」

雑魚鬼といっても険しい山の中でこんなに早く見つけて討伐して来るとは、階級が下であっても経験があるとやはり違うのだろうなと心で思いながら任務は終了したのだった。

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