産屋敷輝哉の企み
鎹鴉に産屋敷邸に向かえという指示を受け、2日半かけてついた場所は藤の花を家紋にした屋敷だった。
(産屋敷じゃないの?)
そう思っていたが、どうやらここ一月以上任務に追われた疲れをとってから向かえとの事だったらしいく、藤の屋敷とやらに一日だけ休息をとることにした。
自分を部屋に案内してくれる人になぜ鬼殺隊の隊士を無償で休ませてくれるんですか?と聞くと、昔鬼殺隊に先祖が助けてもらった恩を返しているとの事だったので、良い人たちなんだなぁと心の中で呟いた。
半月ぶりに暖かい敷布団で休息をとった次の日、隠の方が訪ねてきた、どうやら産屋敷邸の道は極秘になっているみたいでおんぶされながら向かうらしい。
ちなみに目隠しと耳栓もするとこの事でお面を外す事になったんだけど、相手が自分の顔を見るとやはり少し固まってよそよそしく対応が変わるのは、何故なのかと疑問に思いつつおぶられて移動していくのだった。
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目隠しと耳栓を外し、お面が返され周りをぐるっと見てみると綺麗な日本庭園が広がっていた
(綺麗な庭…)
どこを見ても手が行き届いている木々や池などを見てそう心で呟いていると屋敷から声がした。
「こんにちは」
ん?どなた?そう思い振り返ると髪を肩上まで伸ばした、整った顔の優しそうな同い年ほどの少年が立っていた。
「……こんにちは…失礼ですが、どちらさまですか?」
少年は優しい声色でああ、すまないねと言葉を挟むと、自己紹介をしてくれた。
「私は産屋敷耀哉。鬼殺隊を作った一族の末裔で、一族の長になるね」
(…ん?鬼殺隊を作った一族の末裔?)
ということは
「もしかして、鬼殺隊の1番上の方、ですか?」
「そうなるね」
恐る恐る聞くと優しい声でそう答えた
うっそー、こんな同い年くらいの男の子が?そんなことあるんですかぁ?なんて心で思いながら片膝をついて姿勢を低くする。
「これは失礼しました……と言うことは私を呼んだのは産屋敷様ですか?」
「そう、雫とは少し前から話をしてみたいと思っていてね」
あ、名前、と言うより話?なんの?そう思っていると
「君には初任務で下弦の陸を倒した実力を少しだけ確認させてもらったんだ。任務、多いと思わなかったかい?」
あ、と心で呟いたと思ったら声に出てたらしい。産屋敷が微笑むのを見てお面の中で顔が赤くなる
「…確かにこうも連続で来るものなのかと疑問に思っていましたが、私の実力を確かめるためだったんですね」
「ああ、それと雫に聞きたいことがあるんだけど、倒した鬼の数は今どのくらいかな?」
任務を指示する側で知らないものか?そう疑問に思いつつ答える
「……たしか、任務以外に出くわした鬼も合わせると、30くらいでしょうか…?」
「雫は、柱になれる条件を知ってるかい?」
「すみません、柱自体は存じてますが、そこまでは」
「階級が甲であること、鬼を五十体討ち取ること、十二鬼月を討ち取ること、例外として、柱からの推薦がある場合もある」
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