08 茶々丸開発編 第6話 茶々丸の完成と千雨の覚醒
茶々丸の起動実験の後、収集したデータの解析なんかを終えると、本体の改良の実作業は他の人たちに殆どゆだね、
私達三人は茶々丸に搭載する動力炉開発にかかりきりになっていった。
動力炉の重要パーツに魔法的に意味のある紋様を施したり、魔力補充儀式簡略化のために専用の魔力補充用ねじを開発したりなど、
魔法技術を多用する場所はエヴァンジェリンに指導して貰う事となった。
付け加えておけばエヴァンジェリンはなかなかに良い師匠を務めてくれた。
去年動力炉が暴走してからは特に大きな事故(測定機器が焼き切れたとか以外)は起こらず、試作の搭載用魔力動力炉が完成したのが1月末の事だった。
これは始めて私達3人だけの手で作った試作品で、小型化を進めると同時に茶々丸に搭載するために必要な各種装置も取り付けた。
なんでこの試作品にエヴァンジェリンが関わっていないかというと、私達だけで作らないと製作契約上問題が…とかではない。
もっと単純に、基幹パーツの製作を私達だけでできるようになったからというのと、エヴァンジェリンがコンピュータなんかのハイテク関連に凄く弱いからだ。
いや、冗談抜きで。
科学とか技術全般がダメ、というわけじゃないんだが、真空管含め電子計算機関係とか新素材なんかの俗に言うハイテクはよくわからん、との事だ。
錬金術的な知識から化学はそこそこいけるみたいだし、機械関係は産業革命くらいまでは理解しているらしいが…
さて、それはさておき、この分だと春休みに入る頃には茶々丸は完成するだろう。
勿論、すでに私達、エヴァンジェリン双方から改良案が上がっているので、最初の契約の条件を満たす、という意味でだが。
具体的な改良案としては、
魔力補充の儀式については軍用の装甲なんかに防御魔法を施す技術の応用でかなりの簡素化ができそうだし、
聡美が魔力ジェットの設計図を引いてたり、超が魔法の科学的解析により、魔法・科学融合兵器の設計をしてたり。
私は魔法使いの電子戦ツールでもある電子精霊を付けてやりたいな~とも考えてたりする…勿論、自分でも使う気満々だ。
その為に『初めてのマホネット』『初等電子精霊行使術』とかいう本をエヴァンジェリンからもらった。
それを読んでみると、電子精霊の再現…というかコピーはどうやら私たちの技術で十分に実現可能であるという事がわかった。
だが、『初めてのマホネット』に
『限定的ながら旧世界(ムンドゥス・ウェトゥス)にいながらにして魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の最新情報に触れる事もできます!』
とか書いてあって…そういう情報って私達に一番知られたくないと思っている情報のはずなんだが…まあいいや。
相手がそう簡単に強硬手段に出ない確証があるならば、最初にお伺いを立てるよりも既成事実を作ってそれを禁止しようとした時に譲歩を引き出す方がいい。
…十中八九、具体的に禁止すると完全にやぶ蛇になると踏んで魔法世界についての情報収集の禁止とかマホネットへの接続の禁止とか言われなかったんだろうけど。
『私達は別に協定にも、規則にも、契約にもまだ何一つ違反しているわけではないヨ、堂々としていればいいネ。』
というのは超の言葉だが、私もその意見には全面的に賛同する…『まだ』という一言を除いて。
後は…そうそう、エヴァンジェリンが最近暇だとか言って稽古をつけてくれている。
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