水着購入
涼が京都に出張している間、セレナ、灯巳、黒歌、イリナ、ゼノヴィア女子陣は涼との夏休みを過ごすために必要な物を買う為に近所の大型複合ショッピングモールに訪れていた。
「おぉぉ!凄いな!これがショッピングモールというものか!」
エントランスから見える吹き抜けるような高い天井を見上げながら、五人の中で一番テンションが上がっているゼノヴィア。
「ゼノヴィアは来たこと無いんですか?」
「私たちは悪魔祓いだったから、基本は教会の中だし。俗世に染まらないようにって自由行動なんてほとんどなかったもの」
「…悪魔祓いって結構面倒臭いんだね」
「灯巳、容赦ないにゃ」
アハハ、と苦笑いする、黒歌。
いつもの学生服や部屋着とは違う、おしゃれした私服を着て店内を進む。
五人に注がれている視線に気づかずに、いや、気づいても気にしない。五人は既に一人の男を愛しているから。
「それで最初は何を見に行く?」
「最初は水着です。涼さんから海水浴に行くのに必要な水着を買っておくようにと言われてます。お店があるなら浴衣も買っておくようにと。どうも、涼さんは宣戦布告しておきながら夏休みをリア充バリに満喫するつもりのようです」
数日前に行われた、涼の三大勢力への宣戦布告。そんなことをしておきながら、夏休みを満喫する気満々である。
「水着か、着たことないな」
「私はそもそも海水浴なんて理由で外出できないしね」
「私も無いかな。海は悪霊とかを祓いに行った程度」
ゼノヴィアもイリナは悪魔祓い故に海水浴どころか、年頃の女の子が行くようなお店になど行けるわけもなく、灯巳も、京都の陰陽師の家。遊んでいる暇があるなら術の鍛練をしろ、と言われる始末。
「私と黒歌は行ったことありますよね、はぐれ悪魔狩りついでに少しだけですが遊んだことがありましたが、流石に泳ぐまでは出来ませんでした」
結局、五人居て誰一人としてまともな海水浴をしたことがない。
そもそも日常とかけ離れた生活をしている五人だ、普通の女の子が思い出に残せるようなことをやろうにもそれなりの準備と時間が必要になる。
「さて、お喋りもこの辺で各自自分の水着を見つけてきてください!」
セレナの宣言によってバラバラに店内の散策を始めた。
@ @ @
元悪魔祓いタッグのイリナとゼノヴィアは二人で並べられた水着を物色していく。
「ん~、涼くんはやっぱり露出の度の高い水着がいいのかな?」
「なら、これか?」
ゼノヴィアが陳列されて中から手に取ったのは、イリナの言った通りの露出の多い水着の中でも上位にに位置する露出度の高い水着“マイクロビキニ”。
「な、なにそれ、もう布ないじゃん、紐じゃん!」
「これなら、涼も見てくれるだろう」
「駄目でしょ!涼くんには見てもらえるだろうけど、それはちょっと着れないよ。もっと普通のでいいのよ」
マイクロビキニを元あった場所に戻すと新しい水着を探し始めた。ゼノヴィアのおバカさに呆れながら、自分がまともな水着を彼女に選ぶことを決意した、イリナであった。
「大丈夫かしら、ゼノヴィア。少し脳筋なところがあるから」
別の水着を求めて店内を歩いて行った、ゼノヴィアのことを不安に思いながら、自分が使う水着を探していくが、見た目が気に入っても、気に入った色じゃなかったり、またその逆だったりしてなかなか好みの水着が見つからない。
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