2019/12/15
父の実家は二世帯住宅で、かつて一階に祖母、二階と三回には伯父の家族が暮らしていた。私はその二、三階部分を探索していた。その下はというと、祖母の居住スペースではなく『Bloodborn』風の地下街の広場である。私は犬が騒いで親戚を起こすと怖いぞと思いながら、ダンジョンと部屋を行き来していた。
泥のような深淵に侵された軽装の騎士たちが追ってくる。何体か倒すうち、固有名のついた騎士が出てきた。多少強敵だった。私は街灯によじ登ると、その上で曲芸師のように片手立ちをした。騎士が寄ってくると、私は街灯を引っこ抜いて槍のように突き刺した。
騎士を倒すと鍵が手に入った。なぜか自分で直接拾い上げず、鎖に引っ掛けて特定の場所へ掬い上げる必要があった。上手くやると、道が開けた。移動する梯子が現れた。これを登っていけば親戚宅の未踏部分へ裏から侵入できるだろう。しかし開閉を繰り返す天井は私が辿りついたタイミングで閉じていて、待っている間に手が疲れて落ちた。私は死んだ。
別のシーン。私は小学校にいた。小学校にはこれから、鬼たちが編入されるらしい。中庭の前には鬼の子供たちが並んでいる。鬼といっても角があるだけで、肌色も体格も日本人と変わらない。他方、掲示板の新聞には「柿鬼」なる恐ろしい鬼の記事があった。柿の木が鬼となり、萎れた柿の実のそれぞれに目がついて百目のようになっている。筆絵のタッチも相まって、まさに妖怪といった風体である。私は鬼たちの前でその新聞をまじまじと眺めていた。鬼たちに拒絶を示すためだったか、学校側の配慮の無さを糾弾するためだったかは記憶にない。
それから、人間と鬼は無事に打ち解けたようだ。いつの間にか生徒の間では人間と鬼のペアを作ることが流行り、学校側もそれを制度化しようと考えていた。私は弟と二人で寮に入っていて、弟が鬼を連れ込むのを快く思わなかった。鬼には「私も嘘は嫌いだからね。特別鬼を嫌ってはいないが、同居自体が苦手なんだ」と正直に説明した。
後に制度化が決まると、私も相手の鬼を選ぶ必要があった。私は『マジック』のボーラスに似た角の造形に惹かれて、一人の鬼に声をかけた。
それから、弟は学校を出て近くの団地へ向かった。この近くは団地ばかりで、擬人化したポケモンが棲息している。学校から遠い団地では強い装備品が拾える一方、ポケモンも強いようだ。私は奥のポケモンに歯が立たないと悟った後、順当に手前から探索していった。最初の団地で弟を見つけた。塾の生徒たちと一緒に団地に棲みついていた(自分が地元でバイトをしている都合、生徒が母校で教育実習をした弟と顔なじみなのだ)。弟は碌にレベルも上げずにここまで来たようで、その辺のポケモンにも苦戦していた。
その後、私は自分でないキャラクターを選んで団地を攻略することになった。三人ほどいたが、自分が選んだのはスピードタイプとされていた『ブラサバ』のジャッキーだった。「ヒャッハー、殺せ殺せー!」と上機嫌で団地に駆け込んだ私だったが、次の団地はレベルが違う。私の狩りは虐殺というより暗殺であった。まずい敵をやり過ごすため、階段脇の風呂に逃げ込む。すると、カビゴンあたりの擬人化だろうか、まるまると太った男が入浴しにやってきた。裸だった私は慌てて体を隠した。男は私のことなど気にせず風呂に浸かった。巨体に押し潰されながら耐えること数分、ようやく私は解放されたかに思えた。しかしそのあと私は博麗霊夢に捕まり、退治された。
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