ハーメルン
「信濃」戦記録
湾内戦闘

「トマホーク、上がります!!」
「ホークはどうした!?」
「宿舎がやられて、パイロット不足です!!
 予備役を招集しています!!」
「ガッデム、
 トマホークを上げ続けろ!!
 フライングフォートレスは、
 500ポンドを積んどけ!!」
「500ですかっ!?」
「艦艇に絨毯爆撃をかましてやるんだ!!
 急げ!!」

敵機来襲!!

この上がる瞬間を待ち構えていた
『零式二一型』この機体は
船越さんオリジナルの方で
20mm7.7mmの機銃を積んでいた

ウィーラー(ホイラー)陸軍飛行場上空で
P-40と零戦の
初ドッグファイトが繰り広げられる形となった


「こなくそっ!!中々やりおる!!」
上を抑えた筈の零戦を辛うじて機体を翻し
P-40は負けじと機銃をばら撒いて来る
「ひょぇっ!?」
零戦ならではの『軽い機体から繰り出される機動は』
ややオーバー気味に避けてしまうが
直ぐに立て直し
『7.7mm』をばら撒く
「どや!!当たったでぇ!!」
しかしP-40も黙っては墜とされない
油を吹き出しながらも機首をこちらに向けて来る
「上等!!勝負や!!」
20mm7.7mmを同時に撃ちだす

「あぁ、また一機墜ちます。」
「アレが、ジャップの戦闘機・・・。」
(なんて軽い機動なんだ、
 P-40が
 まるでベイビーをあやすように墜とされている)

(ふぅ、敵を侮るなかれ、だな)

多数の被弾痕を見ながら
「あかん、コレは怒られる。」
キャノピーは大丈夫だが、
翼端から燃料が少しずつ漏れているのが確認できた
「しゃ~ない、帰るか。」

「日本機引き返して行きます!!」
「こちらの被害は?」
「今ので滑走路脇に居たP-36がやられました、
 格納庫に後20機です。」
「トマホークは?」
「墜とされたのが少なくても20機、
 損傷機は確認中、
 格納庫に40機はいます。」
「ボロ(B-18)とハボック(A-20)は?」
「フライングフォートレスに積み込みを優先していますので
 ボロはまだ出せません、
 ハボックはMk-13ですよ?使い物になりません。」
「いいや、『直接当てて来い』
 爆弾に付け替える時間が惜しい、
 爆撃の用量でぶち当てれば
 それなりの損傷を期待出来る筈だ。」
「直接!?正気ですか?!」
「ジャップの方が正気かと突っ込みたいね、
 なにせ『我がユナイデットステーツアメリカ』に
 喧嘩を仕掛けて来たんだからね。」


「参謀、第一次攻撃隊の損傷は?」
「零式、3、艦爆、1、
 艦攻、5が、未帰還です。」
「長官!!大戦果です!!大戦果ですよ!!」

わっと沸き上がる艦橋内だが

「第二次攻撃隊、発艦を急げ、
 敵に反撃の準備を取らせるな。」

冷えた声で指示を出すと、すん、と、静かになった

「ウィーラーの飛行場はまだ健在だった筈だ。」
「しかし、滑走路にも被害が出ている筈です、
 それに、別働航空艦隊が
 砲撃を始めている筈です、大丈夫ですよ。」

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