接収
深夜
「別動隊合流します。」
「うむ、畝傍大佐を。」
「はい、『無線』繋ぎます。」
《はい、畝傍です、長官》
「畝傍大佐、報告は受けた、
夜戦はするな、このまま作戦通りに帰投せよ。」
《御冗談を、
このまま『陸戦隊』の方に便乗します》
「なっ?!馬鹿も休み休み言いたまえ!!
お前がそこまで背負う必要は無い!!」
《畝傍大佐、短艇接舷しました》
「畝傍大佐っ!!」
《長官、長官の私室に
また積んでありますので精査をお願い致します》
「おまっ!?」
「無線、切れました。」
「はぁ、なぁ?参謀。」
「なんでしょうか?」
「どうしてアイツは俺の私室を知っているんだ?」
「公然の秘密では?」
「え?」
「夜な夜なの麻雀をお止めいただければ
バレにくくなるかと?」
「なっ!?」
▽
「よろしかったのですか?」
「何が?」
「長官ですよ?」
「良いの良いの、
元々俺が立案した『作戦』だし、
立案者が現場に行かないでどうするのさ?」
「ほんと、大佐は変わり物ですね。」
「ん?今更だろ?」
「・・・でしたね。」
「艦長、間も無く作戦海域です。」
「よし、潜望鏡深度へ。」
「浮上、潜望鏡深度。」
「タンクブロー開け。」
「ブロー開きます。」
「自動水平機起動。」
「水準器動作確認。」
「深度、20。」
「ふむ、周囲に艦艇は?」
「聴音、スクリュー音無し。」
「港湾部の火災は見えるっと。」
「では?」
「よし、各艦の同調に期待しよう、
作戦時刻確認。」
「了解、開始時刻、2300。」
「5、4、3、2、1、今!」
「浮上!!陸戦隊発進!!」
▽
「ぶへっ、づべた。」
「畝傍大佐、先に上がらんでください、
艦橋塔には、まだ海水があるんですから。」
「でしたね、見事に濡れましたよ。」
「短艇ハッチ開きます!!」
艦橋塔と併設されている格納庫から
『ポンプ式推進器型内火艇』が2隻出て来る
「行ってまいります。」
「出来れば、全員の帰還を。」
「ぁ~、善処します。」
「短艇、行きました。」
「僚艦確認、全部います!!」
「うし、対空警戒厳のまま僚艦の援護を。」
「了解。」
▽
「状況は?」
「ウィラー飛行場は完全に破壊されました、
ウォルター中将は重傷ですが
現場指揮を執っておられます。」
「・・・そうか、
艦艇は?」
「ほぼ、全艦艇が被害を受け、
複数の戦艦が擱座、半沈没、大破、
巡洋艦も上部構造被害が多数、
稼働艦艇は2隻です。」
「・・・駆逐艦、潜水艦は?」
「まだ、確認中です、
潜水艦は海面に重油が浮き出ているので
かなりの数が沈められたと。」
「市街地の被害は?」
「発電所がストップし、
漁港が損壊、それ以外は特にないそうです。」
「つまり、市街地は。」
「はい、辛うじて
ニューオリンズから電力を回して
街路灯は点いています。」
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