眠り姫
「私の腕は深海棲艦のものを移植してある。脚の骨も、腹の皮膚もだ。お前と同じようにだ。お前ほど見た目に影響がないが」
ここからは飛鳥医師のことと施設のことを説明した。私がここで生活し始めてから、大体1ヶ月ちょっと。それまでに知ったことを全て、口下手ながらも頑張って伝える。同時に、三日月への治療が何なのかも。
三日月は何度も表情を変え、驚き、悲しみ、怒った。だが、少なくとも一度も生きていることに対しての喜びを顔に出すことは無かった。
「若葉はこういう形ででも生きていることに感謝している。ゴミみたいに扱われた過去は拭えないが、今はそれを忘れて楽しく生きることが出来ている」
「……私は若葉さんほど強くありません……うっ……うぅっ……」
泣きじゃくってしまい、話どころでは無くなってしまった。今はひとまず、落ち着くまで近くにいてあげることが良さそうである。
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