二次元の幼馴染は最強にして最強
荷出しも終えて風呂入るついでに帰っていった京都コンビを玄関から見送った俺は、一日の疲れを癒すべく湯船に浸かっていた。というか、浸かっていました。
「はぁー……いいお湯でしたぁ……」
最初にパッと見た時はトイレと風呂のくっついたホテルとかでよく見る風呂=あんまりくつろぎはできないかと思ってたけど、実際入ってみたら全然そんなことは無かったな。なんならそこそこデカかったし。
ちなみに俺は自他共に認める裸族である。今ももちろんスッポンポンだ。控えおろう。マサイ族のお通りやぞ。
風呂に入った後って体が火照って暑いじゃない? だから素っ裸で何にも囚われずに一時間くらいそのまま過ごすのって案外理にかなってると僕は思うんだよね。
え? 変態? 馬鹿言え、俺は人に裸を見せる趣味はない。裸になるのが好きなだけだわ。
コンコンッ
「ちょっとお待ちくださいねー」
あっ、やべっ。パンツ履いてねーわ。
さっき周子さんになんの感情もなくしまわれたパンツを引っ張り出してそのままズボッと履く。上の服も着たほうがいいよな。ズボンは……まぁ、念のため着ておくか。
このドア、覗き穴とかがなにもないんだよな。木製のお洒落なドアだからそりゃあそうといえばそうなんだけど。
それに女子寮の中に不審者が入るなんて滅多にないしな。どちらかと云えば俺が不審者ポジだし。
にしてもこんな時間にお客様とは誰だろうか。しかも俺の部屋になんて。
周子さんか紗枝ちゃんか? それ以外の女子寮の女の子だとヤバいんだけど。俺のメンタル的に。
「お待たせしましたー」
「遅い」
「お前かいな」
ドアを開けた先にいたのは、黒髪長髪に青い瞳。親の顔よりは見ていないけどそれなりに見まくった顔。
みんなご存知かもしれないし、そうじゃないかもしれないシンデレラプロジェクトの狂犬こと渋谷凛さん。二つ名みたいなのは今俺が勝手につけたんだけど。
「なに、不満?」
「んにゃ。なんなら安心した」
「ふーん、てか服着てるんだ」
さっきまで不満そうな顔してたのにすーぐ雰囲気柔らかくするんだから。そのまま表情も変えりゃええのに。笑うと可愛いんだから。
まぁ出た相手が凛で安心したのは事実だよ。他の知らない女の子が出てたらパニクってドアをそのまんま閉めたまであったから。
「……とりあえず入る?」
「……ん」
入るか否かを聞くと、コクンと小さく顔を縦に動かす。
お前コミュ障じゃないんだからさ、もうちょいなんかないのかと思う。言わないけどね。信頼してるってことかもしれないし。俺がそう思いこんでるだけだけど。
部屋に上げさせると、そのまんまズケズケと奥まで進んで行きなさる。
いや、別に構わんが。気になるんだったらそう言えよ。
「ふーん、思ったより片付いてるじゃん」
「周子さんと紗枝ちゃんに手伝ってもらったからね」
「……浮気」
「付き合ってもねぇのに浮気もなにもねぇだろうが」
冗談、と言いながらナチュラルにベッドに腰掛けてテレビをつけ始める。入力切替をして地上波の番組に切り替えると、ちょうどそこにはアイドルらしき女の子たちが映っていた。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク