七海玲一①
「────メテオラ」
仮想訓練場、そこで隊服を身に纏った戦闘体の七海は誰もいない空間目掛け、メテオラを放つ。
恵まれたトリオン能力から生成された巨大なメテオラのトリオンキューブが無数に分割され、着弾。
トリオンの爆発が連鎖的に巻き起こり、土煙を撒き上げる。
一見、何の意味もない行為。
しかしそれは、隠れた相手を炙り出す為の行動だった。
「……っ! そこか……っ!」
七海は短刀型のスコーピオンを手に、背後に向かって振り抜いた。
「く……っ!」
硬質な音と共に、いきなりそこに現れた青い隊服の男────歌川遼のスコーピオンが七海のスコーピオンによって受け止められた。
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