ハーメルン
痛みを識るもの
General comment

「決着ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~……っ!! 『メテオラ』の起爆により、村上隊員、来馬隊長の両名が緊急脱出……っ! 最終結果は8:0:0……っ! 『那須隊』の完全勝利です……っ!」

 桜子の盛大な宣言と共に、会場で一気に歓声が沸き上がった。

 最後まで試合展開をコントロールし尽くした『那須隊』の手管は、それだけ鮮やかなものであった。

 この盛り上がりも、当然のものと言えるだろう。

「最初から最後まで、『那須隊』の独壇場でしたね……っ! 試合展開を振り返ってみてどうでしょう? 東隊長」
「そうですね。終始、『那須隊』の作戦が十全に機能していたと言えるでしょう。地形と戦術、そして()()()()の有利を最大限に活かしてこの結果に繋げたと言えます」

 まず、と前置きして東は話し始める。

「『那須隊』は()()()()()()()()()()事によって、相手チームの思考から余裕を奪っていました。いえ、それどころか相手チームの思考誘導すら仕掛けていた」
「思考誘導、ですか……?」

 はい、と東は桜子の言葉を肯定する。

「たとえば、先程の熊谷による笹森の迎撃ですね」
「ええ、七海隊員を初めとする他の隊員の大暴れによって熊谷隊員の存在を忘れさせた、という事でしたが……」
「いえ、厳密にはそれは違いますね」

 東の予想外の言葉に、桜子はキョトンとした顔をする。

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/12

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析