ハーメルン
痛みを識るもの
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 東はそう告げると、試合の得点が表示された画面を見る。

「今回、『那須隊』は一挙に8得点を獲得しました。夜の部の結果が出なければ明確な順位はまだ分かりませんが、次の戦いでは恐らくMAP選択権が得られる事はないでしょう」
「初期ポイントは2点だったけど、これで一気に10点まで増えたからね。B級中位じゃ中々無い得点率だし、少なくとも次当たる相手の誰よりも下のポイントにはならないでしょ」
「MAP選択権があるのは、対戦するチームの中で最もポイントが低いチームですからね。お二人の言う通り、彼等にMAP選択権が回って来る可能性は低いでしょう」

 東の言葉に、緑川と桜子も同意する。

 MAP選択権は、ポイントが低いチームに対する()()()のようなものだ。

 今回8ポイントという大量得点を獲得した『那須隊』は、少なくとも次の試合でMAP選択権を得られる事はない筈だ。

「つまり、今回の最大の勝因だった地形での有利と初見殺しという要素を次回は使えないという事です。次の試合で、七海を加えた新たな『那須隊』の真価が問われる事でしょう」

 東はそう言って、今回の試合の総評を締め括った。

 緑川も楽し気な表情を浮かべ、桜子も笑顔で頷いた。

「ありがとうございました。これにてB級ランク戦ROUND1、昼の部を終了致します。皆さん、お疲れ様でしたっ!」

 そして、七海の初陣であったROUND1の正式な終了が告げられる。

 会場は、大歓声を以てその宣告を受け入れた。

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