ハーメルン
痛みを識るもの
七海と太刀川

「────旋空弧月」

 長身の男が振るう日本刀型のブレードトリガー、『弧月』が光を帯びて、()()()

 刀身を伸ばし、拡張斬撃────即ち()()()()を可能とするオプショントリガーが起動し、攻撃範囲を伸ばした斬撃が襲い来る。

「……っ!」

 その攻撃に対し、七海は空中機動を可能とするジャンプ台トリガー────『グラスホッパー』を起動。

 足元に展開したグラスホッパーを踏み込み、一瞬にして斬撃の効果範囲外へ逃れる。

 七海の副作用(サイドエフェクト)、『感知痛覚体質』があれば紙一重の回避から反撃に繋げる事が可能だ。

 普通であれば、こんな大ぶりの回避は行わない。

 では何故、七海がこのような大袈裟な回避軌道を取ったのか。

 答えは一つ。

「────旋空弧月」

 ────そうでもしなければ、この男の()()()()()()()からは逃れられないからだ。

 続け様に放たれた旋空弧月が、七海を追い縋るように迫る。

 七海は咄嗟にグラスホッパーを起動、再び大きく回避軌道を取る。

「甘いぞ、七海」

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