熊谷友子の憂鬱
────熊谷友子は、那須隊の攻撃手である。
同じ攻撃手でもその役割は積極的に敵に切り込む同じ隊の七海とは違い、仲間の護衛が主である。
彼女の『弧月』を用いた『返し』の技の練度は上位の攻撃手達にも評価されており、伊達に那須隊の守りの要を担って来たワケではない。
この『返し』の技術は男性恐怖症を患う小夜子に関する事情で七海がこれまで隊に入る事が出来ていなかった為、ランク戦では七海がいない分を埋めようと必死になって磨いたものである。
しかし、幾ら『返し』の技術を磨いても隊全体の決定力が足りないという弱点はどうにもならず、前期のランク戦では下位にこそ落ちなかったものの、最終順位はB級中位の中でも最下位。
あの時は、悔し涙で枕を濡らしたものである。
…………けれど、今期のランク戦からは違う。
どうやったのかは詳しく聞いていないが、どうやら七海が小夜子の壁を取り払う事に成功したらしい。
小夜子の事情に関しては熊谷もその経緯を知っている為今まで口出しはなるべく控えていたのだが、男性恐怖症…………いや、極度の男性不信に陥っていた彼女と会話出来るようになったのだから、大したものだ。
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