ハーメルン
異世界来たので好きに生きる
十一話


えげつない振動に耐えながら過ぎ去っていく緑にゾッとする。
こんな速さ…乗用車より速いんじゃないのか…
落ちたら確実にしぬ。

目を閉じてぎゅっとたてがみを引っつかみながら耐えると不意に振動が弱まった。
若干疲れた顔をしたフェンリルから降りる。
10分足らずで十階層にたどり着いたことに恐怖しか感じないです。

1度だけ来たことがある、虫だらけの十階層。
所々土が露出していて木々の合間に草原があったり唐突な池や沼があったりする訳の分からない階層。
でっけぇ蜘蛛とかカブト虫とか芋虫とか蛇とか蟻とかいすぎて鳥肌モノだった。
それからここには来てない。
ほぼ様子見で見てただけだ戦ったことはない。
こんな虫の楽園であいつら生きてんだろうか。

ローブを脱いで鞄に突っ込み、太ももの暗器がささっているベルトを締める。
こっからは、探査しながら素早く行動。

『フェンリルさん、戦闘頼みました』

ガゥと返ってくる言葉にホッとしつつ十階層に踏み入る。
速攻で探査を使うとゾッとする程魔物が多い。
これを掻い潜ってアイツら見つけんの…絶望。
人か魔物かを見分けるのは音しかない。
ソナーの容量で大きさと音を測りながら一つずつ潰していく。
大人一人分より大きい蛇とか芋虫をフェンリルさんがワンパンでぶち殺すのを遠い目で見つつ魔石だけは回収する。
この広いマップを全域ソナーは無理なので徐々に広げながら虱潰しだ。
半径十メートルが限界なのでそれを回しながら静かにはしりまわる。
あの馬鹿デブと出会ったらしい大きな洞窟のある場所を見つけるとそこにはかなり大きな血溜まりがあった。
乾ききっているからかなり前だろうことがわかる。

『この血から人って見つけれます?』

クンクンと血溜まりを嗅いで頷いたフェンリルさんに跨り追いかける。
奴隷に刺された傷が毒入りの可能性だってある。
毒消しも治癒薬ポーションも渡してはあるけど…
効かないくらい強力だともう命はないだろう。
でもあのデブがそんな強力な毒を使うとは思えない。
自分に向けられたら死ぬ事がわかっている毒をわざわざ奴隷にもたせる事はない気がする。

十階層のマップの端にある崖下にようやく人影をみつけた。
ここまで逃げ切るとはもうお前ら星三所の話じゃないんじゃないか?

『やっとみつけた……』

岩陰でぐったりしている2人にかけより脈を取る。
陰気な方はもうかなり危ない。
金髪は、怪我を負っているがそこまでひどくない。
疲労による気絶だろう。

中級毒消しポーションを患部にかけてから治癒薬ポーションをかけ包帯を巻いていく。
低体温を起こしているのでローブを着せて毛布で包む。
フェンリルさんの尻尾で温めて貰えるなんて多分君が初めてだろうね。
マジでごめん。解熱剤も持ってはいるがこの状態では飲ませられんし。

金髪の傷に傷薬を塗って包帯を巻いて酷い怪我にポーションをかける。
自然治癒を無理やり上げているに過ぎないポーションは使いすぎると自壊を引き起こす。
だから乱用は推奨されないんだよね。
まぁ自己治癒能力が異常に高い体質だったりすればいくら飲んでも大丈夫だったりする。
そしてこの体質はハンターに多い。

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