第11話 すべての始まり
ことりサイド(~半年前~)
「楽しみだね、海未ちゃん♪」
「ふふ、そうですね。」
学校が終わった放課後、私と海未ちゃんで仲良くお出かけです!
残念ながら穂乃果ちゃんはお店番なので一緒に行くことはできなかったけど・・・。
穂乃果ちゃんには美味しいお菓子のお土産を買ってあげるの!
今日は、隣町にできたという大型のショッピングモールに出かける予定です。
私は新しいお洋服を、海未ちゃんは登山道具を見たいんだって。
「でも、あまり遅くならないようにしないといけませんね。
今から行くところは、夜になると治安が悪くなるという噂ですし。」
しっかり者の海未ちゃんは、そう注意してくれる。
「うん、わかった!」
私はそう言うと早く目的地に着きたいと、少し速足ぎみに歩を進めた。
新しいお洋服が私を待っているとなると、どうしても興奮を抑えられない。
「あっ、ことり。あまり急ぐと危ないですよ!」
「あはは、ごめんね。楽しみでしょうがなくて。」
そんな私を海未ちゃんは、「まったく」と言いながらも、特に私を咎めることもなく同じく歩む速度を早めてくれた。
なんやかんや最後には私に合わせてくれる海未ちゃんは本当に優しい、だから大好き!
あ、もちろん穂乃果ちゃんもね!
・・・友達としてだよ?
私と海未ちゃんは、電車に乗ってようやく待望の目的地に着いた。
でも・・・
「す、すごい人だね。」
「ええ、これほどとは・・・。」
辺りを見回しても人、人とすごい反響ぶりだった。
オープンして一週間もたっていないから多少は混むと思っていたけど、平日の夕方にここまで人がいるなんて。
「どうしますか?
こう人が多いと、目的のお店を満足に見られるかどうか・・・。
いっそ、今日はあきらめて後日穂乃果も含めてくるというのもありかと。」
と、海未ちゃんがそう提案してくれる。
確かに海未ちゃんの案もいいけれど・・・
「今から帰る人もいるだろうしとりあえず行ってみない?」
そう、既に時間は夕刻間近。
今から多少人も減っていくだろうと思い、そう提案してみる。
何より、新しいお店をみてみたいという欲求が勝ってしまった。
「まあことりがそう言うなら構いませんが・・・。」
「うんうん♪じゃあいこっ!」
そう言って私ははぐれないように海未ちゃんの手を握ってショッピングモールの中に進んでいった。
海未ちゃんは多少恥ずかしそうにしたが、意図が伝わったのか手を握り返してくれた。
「じゃあ、まずはあのお店に行こっか!
今日は海未ちゃんにたくさん着せ替え人形になってもらうからね♪」
「な!? ことり諮りましたね!?
着せ替え人形にしないことを条件に来たはずです!」
「忘れちゃった~♪」
知ってる?
海未ちゃんっていろんな服が似合って、とっても可愛いんだよ?
「ことり~~。」
嫌がる海未ちゃんを引っ張って無理やり目的のお店に入っていく。
さあ、今からことりのおやつタイムです♪
そこから時間が経つのも忘れ、夢中になり海未ちゃんに色々な服を着せていった。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク