第15話 西木野真姫登場
絢瀬さんとの勉強が始まって5時間がたった。
ことりさんは、勉強を教えてくれる時、1から10まで丁寧に教えてくれている。
さらに、どこから用意してるのかわからないが可愛らしいイラスト付きの分かりやすい資料付きでだ。
ことりさんが中学生の時自分で使っていたものなのかもしれない。
一方絢瀬さんはというと、1から5を教えるから、後はそれを応用して6から10は自分で考えて解けというスタイルなのだ。
そのスタイルを否定するつもりはない。
自分で考えて解いていくというのも、学力を上げるためには必要だと納得できるからだ。
ただ、
怖い、そして厳しい
ひたすらにだ。
「どうしてそんなことも分からないの?」「そんなことで本当に学年3番を狙うつもりはあるの?」「さっきと同じミスをしてるわよ!」「その問題に何分かけるつもり?」などなど・・・
もう俺の心ズタズタです・・・。
しかも絢瀬さんは、目を引くほどの美人だ。
美人ほど怒った時怖いというのは、本当だと痛感したよ・・・。
しかも、
「まあ、今日はこんなものかしら。
じゃあ、来週までにここまでの問題をしておくこと。宿題よ。」
「え」
・・・それ100ページ以上余裕であるんですが。
それを学校に行きながら一週間で?
しかも難しい問題も結構あるんじゃないか?
俺が突き付けられた宿題の量に唖然としていると、絢瀬さんが挑発するような口調で
「どうしたの?
まさか、できないとでも言うつもりかしら?
その程度なの?あなたの覚悟は?」
「・・・くっ、わかったよっ!」
やってやるよ、舐めんなよっ!
じゃあ、今日はありがとうございました、また来週来ますから!」
と、勉強を教えてもらったことに対する礼は忘れず言ったものの、売り言葉に買い言葉のやりとりを最後に、飛び出すように絢瀬家を後にした。
くそ、勉強する前は絢瀬さんに以前のような棘がなくなったかも、と思ったが勘違いだったようだ。
全然、変わってなかった。
・・・しかしああは言ったものの、この宿題どうしよう。
1週間後にまた絢瀬さんに勉強を教えてくれることになっているが、その間にことりさんは予定が合わず勉強を教えてくれることができない。
つまり、俺一人だけの力で膨大な宿題をこなさなければならないのだ。
・・・・・。
まあとりあえず死ぬ気で頑張るしかないか。
それから俺は5日間マジで死ぬ気で頑張った。
睡眠も極力減らし、家にいる間はずっと勉強をしたし、学校でも空き時間などは全て勉強に費やした。
クラスメイトが俺が勉強をしているのを見てザワザワしていが無視だ。
後、親に初めて勉強しすぎで心配された。
その甲斐もあってか、宿題の9.5割を終わらせることができた。
しかし残りの0.5割、これが問題だった。
教科書や参考書を見てもまったく分からない。
問題が難しすぎるのだ。
・・・どうしよう。
このままじゃ、絢瀬さんに馬鹿にされてしまう・・・。
・・・・・・。
最終手段だ。
学校の教師を頼ろう。
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