第20話 μ'sの食事会
「ねえ夏樹、私だけ今日のランニング倍走らされたんだけど、何か知ってる?
絵里ちゃんに夏樹に聞けって言われたんだけど。」
俺が勉強をしていると、練習から帰ってきた姉ちゃんが何か言ってきた。
どうでもよかったので無視していたが、
「ね~、夏樹~無視しないでよ~。」
後ろから抱き着いてすりすりしてきたので仕方なく、手を止めて振り返る。
「確かに俺が倍走らせてもいいって許可したけど、何か文句でも?」
「文句しかないけどっ!?
何その開き直りっ!?」
姉ちゃんは、なんでそんなことしたのさ~と、まとわりついてきて鬱陶しかったが無視して勉強をしていると
「・・・そういえば、夏樹最近すごく勉強頑張ってるけど何かあったの?」
まったく反応しない俺に飽きたのか、話題を変えてきた。
当然、俺は勉強に力を入れている本当の理由を姉ちゃんには話していない。
気になるのも仕方がないことかもしれない。
「別に、前も言ったけどこのままじゃ高校に行けないから勉強してるだけ。」
「いや、もう十分に頭いいじゃん。
お母さんに聞いたよ、この前の模試で校内順位41位だったんでしょ?
志望高校も十分に受かるって言われたんでしょ?」
確かにそうだ、勉強を開始してから4か月ほどがたったが、俺の成績はとうとう学年でも40番台というところまで来たし、志望高校も余裕で受かるレベルにまできた。
先生たちもようやく俺が改心したことを認め始めてくれたようで、前ほど険悪に扱われることはなくなった。
このまま頑張れば、近いうちに3番以内に入れる可能性も十分にあり、その自信もある。
「まあ、どうせならもうちょっと上目指そうくらいの感じだよ。
前にも言っただろ? 3番以内を目指してるって。」
「そういえば言ってたね、あの時は冗談だと思ってたけど・・・。
まあ勉強を頑張るのはいいことだし、止めないけどさ、
最近雪穂が夏樹が全然相手してくれないって言って寂しそうだよ?
たまにでもいいから相手してあげてね?」
と、姉ちゃんはそんな気になることを言ってきた。
・・・本当姉ちゃんはいつも俺たちのことを見てくれてるな。
それにしても雪穂か、確かに最近全然関わってなかったな。
・・・たまには、雪穂とゲームでもして遊ぶかな、息抜きにもなるし。
早速明日にでも誘ってみるか。
俺がそう考えていると、姉ちゃんが続けてこんなことを言ってきた
「でね、話は変わるんだけど、今週の土曜日に私達ミューズのみんなで集まってご飯を食べようってなってるんだけど、夏樹も来ない?」
「なんで俺が行かないといけないんだよ?」
姉ちゃんが、スクールアイドルにかなりの力を入れており、人気も出てきているとは話には聞いていたが、あまり興味がなかったし、勉強も忙しかったので詳しくは知らない。
でも確かミューズは全員で9人いるはずだ。
その中でも知っているのは姉ちゃんとことりさん、海未さん、そして絵里さんだけだ。
それ以外の人は知らないし、俺が行っても変な空気になるだけだろう。
「みんなに可愛い弟がいるよって自慢してたら、じゃあ呼ぼうってなったの。」
・・・なぜそうなった??
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/3
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク