第7話 KKE
結局希さんがお見舞いに来てくれた次の日には、体調もすっかりよくなり完全復活を果たした。
風邪が治った俺は、いつも通り学校に行った。
そしてその放課後、
俺は、今、絢瀬家の前に来ていた。
俺は、これから絵里さんに会うことにした。
急だったが絵里さんも予定が空いていたのか快く承諾してくれた。
よし、いくか・・・。
ちょっと緊張するな・・・。
ぴん、ぽ~ん
のんびりしたインターホンの音が静かな空気に心地よく響き渡る。
ほどなくして、足音がトトトと近づいてくる。
「は~い♪」
明るい声で快く迎え入れてくれたのは、絵里さんだ。
ラフな部屋着に身を包んだ絵里さんだが、そんな服の上からでも分かるスラッとしたスタイル、日本人にはない輝くような金髪、蒼い瞳はそれこそ芸術作品のようだ。
当然、周りからの人気も凄い。
相変わらず美人だなぁ・・・。
何度見てもその美貌には魅入ってしまう。
「どうしたの、夏樹?
私の顔に何かついてる??」
「・・・えっ、あ、いや、なんでもない。」
「そう?」
あぶね~、見とれてた・・・。
これだから絢瀬家は恐ろしいんだよな・・・。
その後、部屋に案内された俺は、綺麗に整頓されたリビングで用意してくれていたお菓子と紅茶を飲みながらしばらくしゃべることになった。
「そういえば、今日希さんどうだった?」
昨日、マザコン標準語の希さんの一部始終が記録された爆弾動画を姉ちゃんのスマホからミューズ全員のグループラインに送った実行犯としてその成果を聞く。
「ふふふ、今日の希はみんなにからかわれて、一日中顔真っ赤だったわよ?
とても可愛かったわ~。」
それは何より(笑)
いつもおれをからかってくる希さんに一泡ふかせたことに心の中でガッツポーズをしていると
「でもああ見えて、希は恥ずかしがり屋さんだからあんまりからかったらだめよ?」
「・・・は~い。」
からかったらだめ?
そんなわけにいかないなぁww
「そういえば、希が次に夏樹に会ったら、生まれてきたことを後悔させてやるって言ってたわね。」
・・・しばらく希さんには近づかないでおこう。
「でも希が学校をさぼってまで夏樹の家に行ったっていうことは何かあったの?」
と、絵里さんがもっともな疑問を投げかけてくる。
「さあ?俺もよく分からなかった。」
結局希さんの言ったことの意味は最後まで分からなかった。
・・・なんか最近こういうの多い気がする。
「ふ~ん、まあ困ったことがあったらいつでも言ってね?
力になってあげるから♪」
と、ウインクをしながら言われた。
惚れてまう・・・。
ていうかウインクが様になるな・・・、姉ちゃんとは大違いだ。
「それで夏樹?ここに来たっていう事は、また勉強を教えてもらいに来たんじゃないの?」
その後も、しばらく雑談を楽しんでいたが、
会話もそこそこに絵里さんがそう切り出してくる。
心なしか、そう聞く絵里さんは少し楽しそうだ。
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