ハーメルン
腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ
料理


そして息を吐いてベッドに倒れこむ。頭に浮かぶのは椎名の事だけだ。入学してから椎名は持ち前の天然っぷりと本好きを思い切り発揮して俺にガンガン迫ってくるようになった。当初、俺は他人と関わるのを苦手により遠回しに拒否してもだ。

それが続いていく内にいつのまにか椎名と一緒に過ごす事が当然のようになってきている。

ーーークラス間の争いをするよりも、比企谷君と一緒に本を読むのが1番楽しいですからーーー
 


ーーーただ……大丈夫とは思いますが比企谷君は退学にならないでくださいね。大切なお友達が居なくなるのは寂しいですからーーー



っ!ダメだ。思い出すだけで顔が熱くなるし夜風を浴びに行こう。

俺は首を横に振ってベッドから降りて、そのまま部屋を出てエレベーターに乗って一階に降りる。

そして自販機に向かおうとすると、寮の隅にて1人の男が裏手の方をこっそり眺めていた。何だアイツは?ストーカー?それとも男女の中を覗き見する出歯亀か?

疑問を抱いていると男は物凄いスピードで裏手に入っていく。何事かと思って、さっきまで男がいた場所から路地裏を除くと……

(おいおいマジかよ?)

そこでは生徒会長の堀北学がさっき覗き見していた男と戦っていた。

(とりあえず記録しとくか。場合によっては交渉カードになるし)

俺は気配を殺し、携帯を録画モードにして撮影する中、会長は裏拳を放つと男は半身を仰け反り回避する。が、会長は直ぐに急所を狙った蹴りを放つ。素人の俺でもアレはヤバイと思う。

凄まじい勢いの蹴りを男は手ではたき落とす。すると会長は手を伸ばして男の服を掴もうとするが、男もそれも手ではねのけた。

どっちも怪物だ。俺が戦ったら3秒で気絶する自信がある。

「いい動きだな。立て続けに避けられるとは思わなかった。何か習っていたのか?」

「ピアノと書道なら。小学校の時、全国音楽コンクールで優勝したこともあるぞ」
 
絶対嘘だ。もしそうなら俺も今から習うわ。

「お前もDクラスか?中々ユニークな男だな。鈴音、お前に友達がいるとは驚いたぞ」

会長がそう言って男から目を逸らした先には女生徒がいた。彼女は怯えているように見えるが何があったんだ?

「彼は……友達なんかじゃありません。ただのクラスメイトです」

彼女がそう返すと……








 
 
「相変わらず、孤高と孤独を履き違えてるようだな。ところで……そこで動画を撮っているのもお前の知り合いか?」
 
ば、バレてる……

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