ハーメルン
腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ
中間試験


そりゃ過去問を使ったからな。過去問使って赤点とか馬鹿きわまりない。

「この調子で期末テストも頑張ってくれ。今日のHRはここまで」


坂上先生はそう言って教室を出ていく。それを見ながら自分の結果を見ると全部90点以上だった。椎名は全部満点だが、過去問がなくても満点を取れそうだな。

そう考えながらも俺は立ち上がりトイレに行こうとすると、廊下を出たあたりで龍園が話しかけてくる。

「よう比企谷。早速だが賭けの答え合わせをしようぜ」

賭け……ああ、由比ヶ浜の赤点の数についてか。すっかり忘れてたな。

俺が了解の返事をしようとするとAクラスの教室から坂柳と神室が出てきてこっちに向かってくる。

「お待たせしました。それでは答え合わせをしにDクラスへ行きましょうか」

「ああ。Dの連中は喚いてるだろうな」

龍園は嘲りを表情に乗せながら笑う。どうやら龍園の中では由比ヶ浜が赤点を取ることが決まっているようだ。坂柳も冷笑を浮かべていて、神室は呆れているが嗜める素ぶりは一切見せていない。今更だが、ここにいる4人は頭のネジが数本抜けているのだろう。

そんな事を考えながら4人でDクラスへ向かうと……

『〜〜〜〜!』

Dクラスの方から叫び声と泣き声が混ざった声が聞こえてきた。声からして由比ヶ浜だろうがDクラスのドアが閉まっているにも関わらず聞こえてくる声は大きいので相当な声で鳴いているな。

「どうやら赤点を取ったみたいだな」

「ええ。ですが問題は数です。私と比企谷君が2個と予想して、龍園君が3個で真澄さんが4個でしたね」

「ああ」

Dクラスの教室に着いたのでドアを開けると……





「やだよぉ!辞めたくないよぉ!うぅぅぅぅぅっ!」

雪ノ下に支えられながら大泣きしている由比ヶ浜がいた。俺達がドアを開けた事で注目が集まるが、それを無視してホワイトボードに貼られている成績表を見てみると、社会と英語の成績が書かれた場所において由比ヶ浜の名前が赤い線の下に記されているのだった。

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