決着
任務を遂行した俺は午後からの授業には参加した。その際に隣の席のひよりに事情を聞かれた際は「朝は体調が悪かったが12時くらいに目が覚めた時は問題なかったから、登校した」と誤魔化した。
午後の授業については審議直前だからか重い空気のまま進み、遂に放課後となった。
「さて……おいお前ら。さっさと行くぞ」
帰りのHRが終わり坂上先生が教室から出て行ってから俺は石崎達に話しかけるが……
「あ、悪い比企谷。先に行っててくれないか?」
石崎達は妙に嬉しそうにそんな事を言ってくる。
「何か用事があるのか?」
「実はよ、俺達さっき櫛田ちゃんから呼び出しのメールを貰ったんだよ。だから会わないと、な?」
どうやら一之瀬が言っていたように石崎達だけを呼び出したようだ。しかし石崎達も馬鹿だろ。このタイミングでDクラスの生徒からの呼び出しなんて罠に決まってるだろうに。
ともあれ俺に止めるつもりはないし……
「わかった。ただし5分前には生徒会室に来い。遅刻したら心証が悪くなるからな?」
「わかってるって。じゃあまた後でな」
石崎達はそう言って教室から出て行く。それを見送った俺も一息吐いて教室を出て生徒会室に向かう。
そして到着してからノックをして中に入ると審議が20分前だからか橘先輩しかいなかった。
「失礼します。今日もよろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします。お一人ですか?」
「石崎達は後から来ます。そちらこそ会長はいないんですか?」
「会長は他の仕事があって職員室にいますよ」
おいおい。審議20分前にも他の仕事があんのかよ?
「生徒会長ってやっぱり忙しいんですね。となると権力とかも半端ないんですか?」
とりあえず橘先輩から学校の情報を聞き出そう。もしかしたら今後の役に立つかもしれない。
「いえ。生徒会そのものには力はありません。その役職に就いた人次第ですね」
マジか。つまり歴代の会長はそれぞれ手にした権力も違うって訳か。この学校は本当に実力主義だな。
「なるほど……やっぱ堀北会長は歴代会長の中でもぶっちぎりなんですか?」
「当然です!」
橘先輩は薄い胸を張って誇らしげに言ってくる。あ、この人会長のファンだな。
そんな事を考えているとドアが開くので、そっちに目を向けると堀北と須藤が入ってくる。しかし綾小路の姿は見えないが不参加か?
まあどうでもいいか。いてもいようが結果は決まっているし。
そう思っていると次に会長が入ってきて、少しして坂上先生と茶柱先生が入ってくる。
「おや比企谷君だけかね。石崎君達は?」
「遅れてくると言ってました。まあ4時までに来るでしょう」
坂上先生に返事をすると坂上先生は俺の隣に座る。向かい側では茶柱先生も堀北に綾小路の存在について尋ねていた。どうやら綾小路は来ないようだな。
暫く待機する中、遂に石崎達がやって来るが、汗がダクダクだった。まあ呼び出された場所が場所だからな。
「ではこれより昨日に引き続き審議の方を執り行いたいと思います。着席してください」
橘先輩はそう言うが3人は動く気配はない。
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