王
「で?実績を上げると言ったが、最初は何をやるんだ?何でもBクラスにはちょっかいかけたが、次はDクラスにちょっかいをかけるのか?」
龍園に協力する事を決めた俺は開き直って龍園に質問をする。
「もちろんDクラスにちょっかいをかけるつもりだが、今すぐじゃない。今やるべき事は中間試験についてだ」
「なるほどな。確かに小テストで赤点を取った石崎を始め、馬鹿が予想以上に多いからな」
あの小テストで50点以下をとった奴が何人もいたが、そいつらは中間試験において赤点候補だろう。
「ただ退学するだけならどうでも良いが、退学した場合に発生するであろうペナルティが厄介だ」
だらうな。遅刻や私語でマイナスポイントがつくんだし、退学者が出たら相当デカいマイナスが付くだろう。
「入学して早々それは避けたいな」
「ああ。坂上は石崎を始め、一部の生徒が馬鹿みたいな点数を取ったにもかかわらず、赤点を取らずに済む方法があると確信していると言っていた。おそらく攻略の鍵はそこにある」
まああの言い方は独特だな。これまでの坂上先生の言い回しからして攻略法はあるはずだ。
「ちなみに比企谷。お前は既に攻略法を考えてるか?」
「……一応あるが、実行出来ない可能性があるし、実行出来ても大赤字を食らう可能性が高いから、絶対正しい攻略法じゃないぞ」
「それでも良いから言ってみろ」
そこまで言うなら……
「簡単な話だ。赤点候補の生徒はプライベートポイントを払って坂上先生から「カンニングをする権利」を買うって作戦だな」
「くはっ!そうきたか!まさか学校のルールをぶっ壊すって考えを出すとはな」
龍園はケラケラ笑うがそんなおかしいか?坂上先生は敷地内にあるものは全て学生証カードの中にあるポイントで購入が可能と言っていたし、敷地内でカンニングをする権利を買うって事も可能かもしれない。
「まあルールをぶっ壊すのは学校も認めない可能性が高いし、仮に認めても相当高いだろう」
少なくとも1人につき数十万単位だろう。もしも数万で買えるなら退学者は1人も出ないのは絶対だ。
「だろうな。が、今の比企谷の考えを聞いて点数を買うって考えも出た。コイツもそれなりに値段が張るだろうがカンニングよりは安いだろう」
「そうかもな。とりあえず坂上先生には聞いとけ」
幾ら俺達が考えを生み出しても、先生が売るのを拒否したら何の意味もないからな。
「そのつもりだ。話を戻すがもし正しい攻略法を発見し、俺に提示したら5万やる」
随分と太っ腹と考えたが、そうでもないな。もしも俺が正しい攻略法を発見して龍園に提示し、龍園がクラスに教えたら龍園はクラスメイトから信用を得る事が出来る。信用ってのは王にとって重要だ。無くしたら今後の活動に支障が出る可能性もあるしな。
「……わかった。一応こっちでも考えておく」
ポイントは学校生活において重要だ。貯めておけば強力な武器になるだろうし。
「決まりだな。期待しておくぞ?」
「過度な期待はすんな」
そう返して弁当を食べるのを再開した。
3時間後……
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