ハーメルン
21世紀TS少女による未来世紀VRゲーム実況配信!
67.Space Colony of the Dead(ガンシューティング)<2>
現在、ゾンビガンシューティングゲームのライブ配信中。
施設を出ると、そこには出待ちをしていた暴走アンドロイドが!
「アアアアア! ヨシチャアアアン!」
「そおい!」
予想できていた事態なので、落ち着いてヒスイさんと二人で銃撃して倒した。
『あーん、負けた。ヨシちゃんに噛みつきたかったー』『アンドロイド役であってゾンビじゃないんだから』『ウィルス感染タイプのゾンビじゃないなら、噛みつきもあまり怖くないな……』『ミドリシリーズが楽しんでいるようで何よりです』
倒したようなので、俺達は視界に表示されるガイドに従って、道を進む。
夕刻を演出する赤い照明に照らされたスペースコロニーの町並み。目指す先は火薬式の銃があるという博物館である。
博物館の建物に入ると、展覧会の見物客だったのか、市民のゾンビが大量に待ち受けていた。
俺はヒスイさんと二人で熱線銃をつるべ打ちにする。不意打ちのない歩くゾンビなど、怖くもないわ!
「さて、銃を回収していきましょうか」
熱線銃を腰のホルスターにしまいながら、ヒスイさんが言う。
「透明なケースに入っているけど、どうやって取り出す?」
火薬式の銃と弾丸がケースに入ってずらりと並んでいる。それを前に俺はどうしようかと迷ったが、ヒスイさんは「こうします」と言って熱線銃のグリップでケースを叩き割った。
「ええっ……、普通のガラスケースなの……」
「ゲームですから。リアリティを追求して強化ガラスにしても、プレイヤーが困るだけです」
「それもそうか」
そして俺達は銃と弾丸を片っ端から回収して、アイテムを虚空に収納できるインベントリ機能に突っ込んでいった。
「インベントリがあるのもゲーム的だよな。これがなかったらリュックサックでも探す羽目になっていたよ」
「ゲームの設定上、道中で銃弾を補給できませんからね。ここで手に入る物がほぼ全てです」
ほーん。〝ほぼ〟ね。
「さて、俺はあまり銃に詳しくないけど、どの銃を使おうかな」
『ゾンビ相手といえばショットガンやろ』『マグナム! マグナム!』『ド派手なのがいいなぁ』『銃いいよね』『いい……』
うーん、じゃ、とりあえずショットガンで。
俺は中折れ式のショットガンを手に取り、重さを確かめた。
「ヨシムネ様、足音が近づいてきます。速度からしてロボットかアンドロイドです」
ライフルを手にしたヒスイさんが、注意をうながしてくる。
「あいよー」
ヒスイさんの向いている方向に、俺は銃口を向ける。すると、曲がり角からミドリシリーズのガイノイドがガクガクした動きで走ってくるのが見えた。
「ドロボオオオ! イケナインダアアア!」
「いや、これは生存目的のための致し方ない犠牲でな……コラテラル・ダメージというやつで死ねい!」
近づいてきたところをズドンだ。
ショットガンの一撃は、見事にガイノイドの胸部に命中し、吹き飛ばすことに成功した。倒れ伏した相手が起き上がる様子はどうやらないようだ。
「ヒュー、爽快」
「本当はミドリシリーズが、散弾銃の弾程度で機能を停止することはないのですけれどね」
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