ハーメルン
21世紀TS少女による未来世紀VRゲーム実況配信!
9.-TOUMA-(剣豪アクション・生活シミュレーション)<6>
そして、行儀が悪いがコメントにも目を通す。
『祝! ミズチ討伐』『俺達の水泳部がやってくれたぜ』『人魚なんておらんかったんや』『ボスが発狂しても不動のヒスイさんが怖い』『槍持っていけばいいのに、かたくなに打刀を使おうとするマゾ剣豪ヨシちゃん!』『呪術はどこいったんです?』
これはミズチ戦のコメントか。もう『ミズチから逃げるな』と言われずに済むんだな……。もう二度とあれとは戦わねえ。
最後の四本目の動画のコメントも見てみる。
『出てくるNPCみんな知らない人なのに、BGMで涙出てくるんですけど』『音楽の力はやはり偉大だった……』『あんな妖怪もいるんだな。かっけえ』『勝利確定』『さすがヒスイさんです!』『ラストアタック助かる』『さすがヒスイさんです!』『さすヒス吹いた』『さすがヒスイさんです!』『さすがヒスイさんです!』『さすがヒスイさんです!』『さすがヒスイさんです!』『さすがヒスイさんです!』
うむ、やはりヒスイさんはすごいな。そして、次回作への要望も来ている。主に、このゲームをプレイしてくれというもの。だけどすまないな、みんな。ゲームのチョイスはヒスイさんに任せているんだ。
「次のゲームはいつやるかなぁ」
「まずはニホンタナカインダストリで髪色の変更をしませんとね」
「男性型アンドロイドっていつ届くの?」
「もう届いていますよ」
「え、マジで?」
「ゲーム中なのでボディの取り替えをすることはないだろうと思い、黙っていました。教えたらそちらに気が向いて、ゲームに対する集中が切れるおそれがありましたからね」
「そっかー。じゃあ明日早速、試してみるかな」
「となると、魂の消耗を防ぐため、次回の動画撮影はだいぶ先になりますね」
「…………」
「いかがなさいました?」
「いや、せっかく動画が人気になって、乗りに乗っている時期なんだ。男ボディへの換装は後の楽しみに取っておこう」
よく考えたら、人前に出るわけでもないので女のボディでなんら不自由していないし、男に戻って何かやりたいことがあるわけでもない。
男に戻っている間、動画撮影ができないというのは辛い。すでにライフワークになっている。
「そうですか。では、またしばらくはヨシムネ様も、まだミドリシリーズの仲間のままというわけですね」
ヒスイさんがそう言ってにっこりと笑った。
ヒスイさん的には俺が女ボディのままの方が嬉しいのかね。
それなら、何か新しく外出の予定でもできない限り、家の中ではこのボディを使い続けることにしようかな。
[9]前
[1]次話
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:4/4
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク