彼はAクラスの女王と出会う。
「本心からそう言っているのなら構わないわ。でも、私には貴女が本気で彼らを救いたいと思っているようには見えない」
「何それ。意味分かんないよ……どうして堀北さんはそんなこと平気で言えちゃうの?」
櫛田は悲しげに顔を伏せたが、すぐに顔を上げた。
「じゃあね、また明日」
短く言葉を残し、櫛田も図書室を出て行った。
「二人ともご苦労だったわね。勉強会はこれで終了よ」
「そうみたいだな」
「あっという間だったね。まぁ、実際にそうなんだけど」
堀北からの言葉に綾小路と柚椰は答える。
「先に俺は帰るね」
柚椰は腰を上げると、勉強道具を鞄に仕舞った。
「帰るの?」
「ちょっと今回の功労者を労いにね。巻き込んでしまったのは俺だから」
柚椰は暗に櫛田のところに行くと言っているようだ。
「そう……好きにしたらいいわ」
堀北は柚椰が櫛田のところに行くのが気に食わないのか若干不満気だ。
「じゃあ二人とも、また明日」
片づけを済ませ、鞄を持つと柚椰は二人に別れを告げた。
しかしドアの前で彼は一旦立ち止まった。
「あぁ、それと堀北」
「何かしら?」
「人の夢に貴賎はないよ。Aクラスになるという君の夢だって、須藤たちにとっては不可能な夢でしかない。人の夢を嗤う権利は誰にもないんだ。それだけは覚えておくといい」
そういい残して柚椰は図書室を出て行った。
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:7/7
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク