彼は孤独少女の兄と出会う。
しかしそんな彼を追撃するように急所を狙った鋭い蹴りが振るわれる。
「っぶね!」
綾小路は飛んできた蹴りを間一髪で避けるが、続けざまに彼に向けて生徒会長の右手が伸ばされる。
掴まれれば先の堀北のように地面に叩きつけられるであろうことは簡単に予想出来る。
そのため綾小路は左手の裏でその手を叩くことで受け流した。
「ほう、いい動きだな。立て続けに避けられるとは思わなかった。
それに、俺が何をしようとしていたのかもよく理解している。何か習っていたか?」
「ピアノと書道なら。小学生の時、全国音楽コンクールで優勝したこともあるぞ」
生徒会長の問いかけに綾小路はズレた答えを返す。
「ふふっ、綾小路がピアノを弾くとは、これは面白いことを聞いた」
綾小路の返答が面白かったのか柚椰は笑いながら物陰から出てきた。
またしても乱入者が現れたことで生徒会長の眼光が柚椰に向けられる。
「お前は……黛柚椰か」
「これは生徒会長、知っていただけているようで嬉しいですよ」
柚椰はヘラヘラと笑いながら近づいていく。
「ふん、生徒会長として新入生の情報は把握している。全教科満点の入学首席でありながらDクラスに配属された異端児ならば尚更な」
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