彼は孤独少女の兄と出会う。
「俺に出来ることなら」
堀北がひとまず折れてくれたことに綾小路は胸を撫で下ろしながらそう答える。
「うん、俺も可能な限りやってみるよ」
柚椰もまた二つ返事で了承した。
こうして彼らは再び、須藤たちに勉強を教えるという方針で団結した。
「でも、問題はアイツらだよな」
綾小路は脳裏に須藤たち3人を思い浮かべる。
今日の出来事で、彼らが勉強に対して、堀北に対して悪い印象を持ったことは確実だった。
そんな彼らを今一度説得し、勉強会へ連れ出すことは出来るのだろうか。
「黛、もう一回櫛田に頼むってことは出来ないか?」
「そうだね……櫛田は了承してくれるかもしれないから問題ないとして、池と山内に関しては折れてくれると思うけど須藤がね……流石に堀北がいることを知れば、いくら櫛田でも説得するのは難しいんじゃないかな?」
綾小路は柚椰に今一度櫛田を使って須藤たちを誘い出すことは可能か聞いたが、どうやら難しいようだ。
「そもそも私は櫛田さんが勉強会に参加すること自体遺憾なのだけれど」
堀北に関してはそもそも櫛田が参加することが嫌なようだ。
「多少強引な手でもいいなら俺が須藤を連れてくるけど、どうする?」
二人が頭を悩ませていると、柚椰がふとそんな提案をした。
「出来るのか? 須藤は他人の言うことを素直に聞くタイプじゃないだろ」
「そうね、あの単細胞な男がすんなり聞き分けるとは思えないわ」
綾小路と堀北は須藤の性格上、素直についてくるとは思えないようだ。
しかしそんな彼らに対し、柚椰はニコリと笑みを浮かべた。
「言葉で不可能なら彼の得意分野で語り合うしかないだろう?」
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