第3話
「助けて頂いて、ありがとうございました。」
オーズは、傾いていたベルトを元の位置に戻すと、映司の姿に戻り、二人のライダーに礼を言った。
ファムとライアも自身のバックルからカードデッキを抜き取り、人の姿になった。
「貴方、見ない顔ね。」
ファムだったファー付きの灰色のロングコートを着た女性が、映司をまじまじと見て言った。
「だが、他のライダーにやられる前に助けることが出来てよかった。」
ライアだった赤いジャケットを着た男が、安堵の表情を見せた。
「あ、俺は火野映司って言います!仮面ライダーオーズです!」
映司は取り敢えず自己紹介をした。
「俺は手塚。こっちは霧島だ。」
「よろしく。」
物腰の柔らかそうな手塚に対して、霧島はそっけなく言った。
「でも良かった~…。ようやく、ちゃんと話ができそうな人達と出会えて。」
はぁ、と溜め息を突きながら映司ら言った。
「いや。それはどうかな?」
手塚が言った。
「…え?」
映司は恐る恐る顔を上げた。
「貴方の返答次第では、私達は貴方の敵になるかもしれない。」
霧島は言った。
「お前の願いは何だ?何の為に戦う?」
手塚が尋ねた。
「俺の、願い…?」
「ヤァァァァァ!!!!」
映司が答えかけた時、再びモンスターが現れた。それも同種のものが複数だ。
「ヤミーか!?」
「違う、あれはミラーモンスター!」
霧島が答えた。
「ミラー、モンスター?」
「レイヨウ型が複数…、という事は!」
手塚がそう言った時、レイヨウ型モンスターの群れの中から、やはり一人の騎士が姿を現わした。茶色いレイヨウの騎士・仮面ライダーインペラーだ。
「いやぁ、さすがは占い師!察しがいいねぇ。」
インペラーが言った。
「あれって、アビスとかいうやつらの仲間なんですか?」
映司も状況がわからないとはいえ、流石に構えながら言った。
「あんな野蛮なやつらと一緒にしないでもらえるかなぁ?」
映司達の後方から声がした。
振り向くと、銀の鎧に群青色が差し色で入っている虎の騎士・仮面ライダータイガがいた。
「僕達は、こんな馬鹿げた戦いを止めたいだけさ。英雄になる為にねぇ。」
タイガが言った。
「そーゆーこと!ま、俺は幸せな生活が手に入ればそれでいいんだけどね。」
インペラーが同意して言った。
「え?てことは敵じゃない?」
「騙されるな!」
映司が気を許そうとしたが、手塚が言い放った。
「はぁ?嘘なんかついてないよ!」
インペラーが反論した。
「そう…。嘘じゃない。だけど、戦いを終わらせるには、君達は邪魔なんだ。」
STRIKE VENT!
タイガが斧状の武器・白召斧デストバイザーにカードを装填。虎の爪を模した手甲を両手に装着した。
「ごめんね。そーゆーことなんで!」
SPIN VENT!
インペラーもまた、右脛に装備されている羚召膝甲ガゼルバイザーにカードを装填し、レイヨウ型モンスター・ギガゼールの頭部を模した二本のドリルを備えた手甲ガゼルスタッブを装備した。
「結局そうなるのか!」
手塚と霧島はそれぞれカードデッキをかざす。瞬く間に彼らの腰にバックルが召還された。
「「変身!!」」
手塚と霧島はそれぞれライア、ファムに変身した。
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