ハーメルン
戦姫絶唱シンフォギア フロウレスエナジー
第15話 聖詠

「燃えろ…俺のコスモっ!」

有名な漫画の代表的なセリフを叫びながら突進した統慈は

左手を握り、思いっきり叩きつける

無論、雑魚ノイズとて即死するわけではない、統慈はパンチ一発でコンクリートを粉砕するようなパワーをしているわけではないからだ


「死に晒せえっ!」

倒れるまで何発でも、
拳を、そして脚を撃ち込む

ノイズに触れられる俺ならば
シンフォギア無しでも生身で戦闘できるのは確かだが、それを他の存在に悟られるわけには行かない

映画で見た動きのような『魅せるアクション』は不要だ、只々コンパクトに、素早く、身に隠して、致命の一撃を放つ

動きの理想は仮面ライダーコーカサス
そのクロックアップ時の動きだ

仮面ライダーコーカサスは主人公ライダーのカブト同様、待ち受ける(カウンター)タイプのライダーだが、クロックアップ時は打って変わって、獰猛な格闘戦スタイルを取る二面性もある

その動きの真似…
じみたもので打ち掛かる

「フッ!セェヤッ!」
右ストレートからの膝蹴り、地面についた手で体を回して反転キック

一応、腕は折れないように気をつけているが、相手はノイズだ
体表はそれなり以上に固い

再び拳を撃つ、撃つ、撃つ
心拍でタイミングを取りながら
息が上がらないスピードで格闘を続け、ノイズ警報で人が去るのを待つ

一度、二度、三度、
ノイズを打つたびに、波紋が広がる
それは未だ形を持たない始まりの音

「ゼエエェェッ!」

最後の一撃とともに離れ、炭化するノイズを見届けることなく次へ向かうが

「多いな…」
路上という地形上、
一体一体相手をしていられないというのに、ノイズはかなりの数出て来ている

「っ!」

その時、捉えた、捉えてしまったのだ…路地に座り込んだ少女に襲いかかるノイズを

「ウォォォッ!」
道を塞ぐノイズを足蹴にして
飛び越えて、今まさに少女に触れる寸前のノイズへと到達した統慈は

「ゼエエェェッ!」
着地を考えず、左足による飛び回し蹴りを叩き込む

真横に弾かれたノイズは、すぐさまに炭化せずとも、少女を襲う事は叶わず

「生きてるか?」
統慈は少女へと手を差し伸べる
「……?」

炭にされることを覚悟して、目を瞑っていた少女は、そこに希望の光を見た

「生きてるならそれで結構、そんなお年で死になさんなよ…そこで待ってな
もうじき、正義のヒロインズが来てくれるからよ」

統慈は笑顔で少女の頭を撫でる

「僕はちょっとアレだけど、もっとちゃんとした組織の人たちが来るからさ
それまで生き延びなさい
最低限くらい私が庇ってあげよう」

そう言い切って、律儀に待っていたノイズを打ち飛ばし、壁へと叩きつける

「リズムは整った…」

波紋は満ち、決意は為された
音は生まれ、形は得た
旋律は歌となって鳴り響く

Sealder leagjarn nshel tron(絶望を封じる箱を開け)

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