犯罪界の道化王子
特殊拘置所タルタロス
この刑務所は通常の刑務所とはワンランクもツーランクも警戒度が上がった特殊施設で地下深くに隠れるように建てられ、個性社会において世間にも公表できないような凶悪犯罪を冒した者たちが収容される。
そのため内装も通常の刑務所のような薄汚く雑多なものとは違い、酷く病的に無機質な白い通路に機械的に管理された警備システムが絶えず囚人を監視しており厳重を通り越して蟻の子一匹の侵入すら許さないだろう。収容形式も一般的な相部屋で雑魚寝などという粗雑なものではなく、それぞれの囚人が拘束着を着せられ椅子に縛り付けられて監視カメラと銃口で四六時中も見られている。さらには絶えず脳波も観測されており個性を使う意思を見せると万が一に備えて入り口に向いている銃口でさえも囚人へと向けられる。
この刑務所は地下深くに建てられて空調が効いて空気が絶えず巡回しているがそれでもなお息苦しさを感じる。
『ボク』には呼吸器から絶えず新鮮な空気が供給されているが、その空気でさえもこの場所の空気と混ざった瞬間に腐ったと言ってもいい。空調があるとはいえココに集められたゴミたちのせいで全く新鮮さを感じられない。
看守たちも絶えずカメラで状況を見ているようだが、必要以上に『ボク』に干渉しようとしない。強気に見える高圧的な態度も、一転内心ではココに収容されるような囚人への怯えが隠せていない。
あぁ、『ボク』が誰かって?
『ボク』はAFOだ。
オールマイトとの遊びから早1カ月ほどの時間が経ったかな?
来る日も来る日も、何も無く。何も無いまま過ぎてゆく。
薬品か何者かの個性によるものか今のAFOは個性が上手く使えないし、個性を使おうと思うことでさえ脳波の変化を観測した機器によりすぐさま銃口がこちらを向く。
バレずに辛うじて使えるのは1つくらいが限界といったところだね。
ほら。
いまもよからぬことを考えているからか銃口が向くのを感じる。
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